みそらしど

世界一キライなあなたにのみそらしどのネタバレレビュー・内容・結末

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

「このラブストーリーいい!」という方を度々見かけて気になっていたところ、やっと観れたわけですが、前知識なしでただのラブストーリーかと思って観始めたらもっと深いテーマ「尊厳死」について考えさせられた。

ウィルは脊髄を損傷したいまの身体が受け入れられなかった。個人的には、夢の中の自分は事故に遭う前の姿だというのが、とても残酷に思われた。

でも彼の揺るがない決断はそれだけが理由ではない。
そんな自分と一緒にいてくれるというルイーザに、辛い思いをさせてしまうことへの恐れ、そして、自分を選んだルイーザが後悔しているところを見たら耐えられないという恐れ。
ルイーザはウィルの尊厳死を止めたかったけれど、彼女の存在がむしろ彼の決断を強固にしてしまったのかもしれない。
でも、それは不幸せでバッドエンドだとは思えない。ウィルがルイーザと幸せな時間を過ごしたこと、ルイーザを愛おしく思う気持ちを心に抱いたことは幸福だったと思うから。

以前、尊厳死についての本を読んだことがあったが、そのときは尊厳死を望む本人の意思が尊重されるべきだと疑わなかった。しかし、この映画を通して残される側の立場にも深く感情移入してしまいどちらが良いかなんて結論出せなくなってしまった。

この映画の好きなところは、ルイーザのファッションセンス!ワクワクする可愛さ!!あと、ルイーザ演じるエミリア・クラークさんの表情や動作がいちいち愛らしくて目を奪われた…。
マシュー・ルイスさんはハリポタのネビル以来に拝見したら、らめちゃめちゃシュッとしててビックリ。
あとスティーブン・ピーコックさん僧帽筋半端ないし、イケメン。

演出に関して、ウィルが亡くなるシーンでは敢えて本人が目を閉じるようなシーンは入れなかった点が、彼がこの世からいなくなってしまったんだと強く認識させられた。あれグッときた。