しおえもんGoGo

予告犯のしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

予告犯(2015年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

まずキャストがやたらと豪華。
でも演技が上手い人が揃ってる点で安心。戸田恵梨香のキャラやセリフがかなり芝居がかってクサいけれど、なぜか見ていられるのは戸田恵梨香の実力だろうか。

話はまあ面白かったし、「こんな国でごめん」とか、最後に全部ゲイツさんのせいだと言う時の荒川良々の泣き笑いの顔とか、陰湿な職場のいじめとか、奥田宏明の足跡をたどった時の何とも言えない虚しさとか、グッとくる場面はあるけど、何となくハマらなかった。

中盤の「理由もなく侮辱する奴は俺が殺す」という発信は(その内容はともかく)力強さがあって、確かにこの言葉で救われる人も居るのだろうと思う。一度ドロップアウトした人が這いあがれない社会は確かにあって、それはなかなか”普通”に生きてる人の目には映らないだろう。自業自得と言われたり、バカにされたり、見えない存在として扱われたり、そんな毎日を送る人にとって心強い言葉のように思う。
そのパワフルさや、一種の爽快感と、最後の一連の顛末がいまいちピタっとはまらない感じ。

また戸田恵梨香演じる吉野絵里香も不幸な境遇から這い上がった人物のようだが、あの辛辣な態度を見ると相当努力をしてここまで来たようだ。そして実際社会の多くの人がドロップアウトした人を「努力不足」と見るだろう。
「頑張れただけ幸せだった」と彼女が言われる(気づく)に至る部分をもうちょっとしっかり見せて欲しかった。
だってそう言われたら、頑張って這い上がった人が可哀想じゃない?

関係ないけどこの「日雇い先で出会ったうちの一人が死んで、その人の仇を討つように他のメンバーが犯罪を犯す」という話をどこかで見たような気がするのだけれど。原作は漫画らしいけど私が読んでいるなら小説だろうが、どうしても思い出せなくてそれが一番モヤモヤ気持ち悪い。
誰かご存じないですか?
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