最近の映画は喋り過ぎる。
予告編も喋り過ぎるのだが、
映画本編自体も、よく喋る。
説明され過ぎている。
未だによく出来ているなぁと
思うのが(羊たちの沈黙)の
オープニングシーンだ。
訓練中のクラリスが森の中から、
上司のクロフォードの部屋に行くまでの
間に、彼女が誰で、どこに属していて、
その組織内でどんな状況に置かれているか
ほとんどセリフなしで上手に簡潔に
表現されていた。唸った。
余韻は、何も映画の最後だけじゃない。
場面場面で、余韻というものは存在する。
(キャロル)を観た。
ケイト・ブランシェットと
ルーニー・マーラ主演。
2人の所作、仕草、表情、目線、背中、
間、呼吸、
息をのんで見入ってしまう。
2人が放つ輝き、美しさ、気品、強さ、
そして切なさや真っ直ぐさに、
何度も何度も心が持っていかれる。
2人の気持ちを想像する。
目を凝らして、2人の心の変化を
追ってゆく。素晴らしかった。