長い！話の内容だけなら長くても2時間にはおさまるだろう。
でも、タランティーノファンとしてはそれが良い。最近は『イングロ』とか『ジャンゴ』とか、これも長いのだが、あまり意味のない会話が続くタイプではない映画が続いていた。特に前者は会話こそがメインだった。長いけどそれなりの意味があったということ。
この意味では前のタランティーノ映画に戻ったよう。だって、『デスプルーフ』なんて内容だけなら30分の映画だし、『ジャッキーブラウン』も2時間半の尺はいらない映画だったのだから。
タランティーノファンとしては、この会話を聞いているだけで幸せな気分になるし、タランティーノ自身も、意味のあるシーンだけを繋ぎ合わせた、逆に不自然な映画というものの構成に反旗を翻しているのだと思う。映画は意味のないシーンだって面白い。生き生きした人物が面白い会話をしてるのを見るのが面白いのは、当たり前のことじゃないか。
人があっさり死ぬのも面白い。カート・ラッセルとかここで死ぬのか…でも私的には、チャニング・テイタムをもっと見たかったけれど。これも、主人公的な人間（メインはサミュエルＬジャクソン）であろうと現実ではあっさり死ぬという当たり前のことを、当たり前に見せている。
おっきなスクリーンにおっきな顔のアップとか、監督としての遊び心や腕もしっかり堪能。いやー、タランティーノ映画を観たなあと満足して帰宅すること間違いなしな映画でした。
