スマイリー

ラ・ラ・ランドのスマイリーのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.0
観ていて幸せになる映画。
計算された動線上を生き生きと動きまくりながら撮るオープニングから、がっつり心を掴まれてしまった。こういう映像は、そう観れるものではなく、良いもの観せてもらったなという満足を、始まって数分で得てしまった。
その後も、『ブギーナイツ』ばりに水中にダイブしたり、クレーンでカメラがぐんぐん上がっていったり、あるいはぐるぐるカメラが回ったり、『セッション』でもあったように高速でパンしたり、ありとあらゆるカメラワークで観てる側を楽しませてくる。しかも大半のミュージカル部分はカットを割らない長回し。
このように、力作感が全編にわたり半端ない本作品、一部で猛烈に拒否されているが、おそらくこういった部分をドヤ顔のように捉えてしまうと、うざったい映画なのだろう。
といいつつ、中盤のミュージカルではない部分、地の部分も上手く撮っていたので、今後こういった作品とは反対のミニマムなホームドラマも撮れる監督じゃないかと期待できる。デミアン・チャゼル監督は31歳、今後も面白い映画を作り続けていくと嬉しい。
俳優も素晴らしい。エマ・ストーンもライアン・ゴズリングも、生き生きとした撮り方に負けず劣らず、生き生きとしていた。映画は撮り方や編集だけでなく、生身の俳優も大事だなと再確認した。とくに俳優の内面に入っていくようなクローズアップのシーンも多いので、俳優の力もより要求され、その分より発揮されたと思う。
ということで、多少気合いが溢れすぎてこってりした感も受けたが、こういう映画もあっていいじゃん、最高じゃん、ということで、観た後はいいもん見たなと思えること間違いなしの映画でした。
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