スマイリー

ジャック・リーチャー NEVER GO BACKのスマイリーのレビュー・感想・評価

3.5
一つの映画としてはまあまあ面白いが、あの『アウトロー』の続編としては不本意な方向に行っちゃったなあという印象。
良かったのは、まずトムが反抗期でおしゃべりな女の子のお父さんをしているところが観れることでしょう。なんか萌えました。ヒッチハイクするジャック・リーチャーも可愛かったですね。
そして店のキッチンでのアクションも良かった。いくつかあるアクションの中では、これが一番かと。
気になったのは、これがアウトローの続編でいいのかという問題。アウトローの良さといえば、まずは美学があるところでしょう。エンジン音のみのカーチェイス。最後はタイマンで勝負の精神など。これが今作には見受けられない!そして前作は、細かい苦笑ギャグ(厳密にはギャグではない)も魅力でした。これも今作ではない!ギャグだと作り手が思っているだろうものはあったけれど。さらに、前作オープニングのスナイプシーンのほぼ完璧と言っていいシークエンスのような、これはというシーンもなかった。これに関しては単純に質が落ちたと言えるんですよね…まあ前作から受け継いでいるのは、夜のシーンが多いくらいなんじゃないか。
あともう一つ、この映画、顔のクロースアップが非常に多い。これはどういうことだろう。クライマックスのところなんて、せっかく後ろで花火が上がっているのに見切れてるだけじゃないか。クロースアップを多用した映画ももちろんある。最近見たキアロスタミの『シーリーン』とか、ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』とか。そしてこれらにはそうすることの意味が十二分にあった。私が今作におけるクロースアップを否定できないのは、監督の意図が見えないから。ズウィックの他の映画を観たことないんだけど、どれもこうなのかなあ。
まあ大体の人が、一本の映画としてはまあまあ面白いということと、アウトローの良さが消えたことの2つを感じるだろう。このどちらに重きを置くかで、評価が変わってくるんじゃないか?
最後に、マッカリーはMIシリーズじゃなくて、ジャックリーチャーシリーズを監督した方が良かったのに!!
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