中産階級ぶたくんを舐めるな

仮面ライダー1号の中産階級ぶたくんを舐めるなのレビュー・感想・評価

仮面ライダー1号(2016年製作の映画)
2.1
公開からおよそ2年…この映画について、この世で最も考察してるのは………どう考えても俺だ‼️‼️
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〔まえがき〕
僕も生涯ワースト映画は2本ありまして、1つはスピルバーグのAi。
もう1つがコレです。
共通点がある訳ではないのでAiは置いといて、今作。劇場で2回。
その後もう2回の計4回観てるんですね。そして、脚本家井上敏樹&白倉伸一郎Pのインタビュー動画、記事を見て、感想・レビューを読み、この映画に関するほぼ全ての制作上の都合を調べた上で現在の境地に達しました。
「僕はこの映画を評論、解説できる自信があります。(多少の偏見アリ)」
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まぁ結論から言うと
ゴミと言うのも失礼なほどお粗末な出来な事に変わりはなく、この映画を「感動した、この映画でライダーの素晴らしさが〜」などと言う輩を正面から叩き潰す覚悟を決めた程度には嫌いなんですがもはや「一周まわって好き」の境地に達してしまいました。
『観(魅)たいものと見せられたもの』この差に尽きると思います。
まず企画が発表され、記念すべきヒーローイヤーに藤岡弘、主演で仮面ライダー1号というタイトルの映画が公開されるとなると、昭和ライダーが親代わりな僕としてはワクワクで心臓が千切れる思いで。 死ぬほど期待していたものの
制作陣を知り、、ゲッソリとしたのでした。
白倉&井上はあくまで
"平成ライダー"の作家であって血縁などというテキトーな理由で
"無関係な作品"の脚本依頼、
この2人による「1号の映画」の構想自体に僕は
1〜99まで共感・納得していません。
今作の問題点は大きく分けて4つ

①本郷と地獄大使の構図
②1号ライダーとゴースト間の死生観
③原点回帰というコンセプト
④藤岡弘、をメインに迎えた事による弊害
です。


①…確かに本郷が1人で倒した敵幹部は死神博士と地獄大使だけですが、今作のアイツは潮健児ではなく『ディケイドの世界の地獄大使』。
そもそも主演がオリキャスでその因縁の敵が赤の他人という、
言ってしまえば元も子もない話ですが、今作で地獄大使は出すだけ無駄。最後の「体を労れ」も意味不明な誤魔化しでしかなく。

②…④と多少カブるのですが、
1号とゴースト、食い合わせが非常に悪い。
1号は改造人間で日本社会の裏に潜む秘密結社と肉弾戦でハードに闘うヒーロー。
反対にゴーストは精神体となった死者が別世界の種族と闘う
"超自然的(スーパーナチュラルな)ヒーロー"なんですよ!
つまりゴーストの人知を越えたファンタジックな世界観に本来リアル志向だった1号が食い込まれることで完全に整合性が失われ、ツッコミどころのあるストーリー以前の問題がココに生じてるんです‼️
白倉P曰く、
「死を超越したゴーストに及ばなかった1号が不死になることでさらに上位のヒーローとなる、、、」
言いたいことは分かるんですが、あくまで改造人間が人間とのジレンマに悩みながら闘うのが1号であって、ゴーストの"ワケあり"な特徴ごときに合わせる為にわざわざ一回殺して軽々しく生き返って、これでイーブンでしょ?って。
何考えてるんですかね、神経疑います。
後輩の設定ごときに合わせる為に話を作んなよ‼️あくまでゴーストは子供寄せの為の客演なんだから客演に留めて下らないプレバン限定アイテムとか、眼魔を無理くり絡めるな‼️(結論1)

③原点回帰というコンセプト
つまりハードでシリアスなサスペンスを装いたいんですよね?
旧一号編っぽいカタチを作りたいんですよね?
でも言ってる事とやってる事矛盾してますよ。
推測ですがこの映画の1号は、
「2号〜ドライブまでのライダーがもし居なかったら…」「もし本郷猛が45年間闘い続けていたら…」
というif世界のキャラクターです。

白倉&井上氏の対談を見て感じるフザけ半分で真面目な敬意を装い、カッコよさヒーロー論としての追求の欠如、人間本郷猛を描く(描ける)というエゴ。
白倉氏…企画ミス。やりたい事やれる事に違いが未だ分からず。
井上氏…1号について知らなすぎる。自身のキャラでない限り向いてないし、愛情を感じない。
東映ヒーローの原点回帰は全てことごとく失敗していて、
原因は時間が足りないこと。ですが、それ以前に作品への敬意が足りないと思います。
原点回帰がテーマな以上、古参ファン、直撃世代への配慮・目配せ・接待は必要です。少ないよ‼️
もう一回愚直なまでにオリジナル再現をした方がいいですよ。(ザボーガーみたいに)
映画だけど、シーンの切り替えに
石森イラスト風の1号が挿入されたり、オープニングに♪レッツゴー持ってくるとか。
何より許せないのはネオサイクロンのエンジン音💢💢💢
静音掃除機のようなマヌケな音をすかしっ屁のようにこき、スルスルと走る……アホくささは異常。
東映の使い回し音源のあの音を聴けずして何が原点回帰だ💢
止まる時のあの、ブンブンブンブキュキュキュブーーン…ツッ。
って音を聴かせろ‼️‼️💢

ついでにネオ1号、幾ら何でもアレは太り過ぎですよ!BvSのアーマードバットマンと体格同じって、馬鹿かよ!向こうはアクションでCG使うから早く動いてるように見せられるけどコッチは
目の不自由な太ったおじさんがあたりを確認しながら一発ずつ攻撃を入れていくような滑稽な動き。
藤岡弘、さんは「経験を積んだムダのない動きが〜」と仰っていました。~物は言いよう~
変身して嵩張ってマヌケに見えました。。が、デザインはそんなに悪くなく、もう少し汚し加工しないと"昭和らしさ"が無いかなと思いました。

④藤岡弘、をメインに迎えた事による弊害
そもそも「本郷猛=藤岡弘、」
としたこと。原作者石ノ森先生が生前その様な事を仰っていたようですが、この映画は一応フィクションである以上、一定の境界線は必要です。
今の氏の立場は、なんだか新興宗教の教祖のようで……。
お気付きの通り作品内での
思想の押し付けがスゴイ‼️
脈絡なく死生観を諭したり、重々しい雰囲気で「それらしいこと」を語る姿はホントに気まずくて。
現場での共演の方々の気苦労が思い遣られるシーンの数々……。
辛いです。
あのー、メッセージ性のある映画って言うのは観てる人に対して、
「命は大事だ!人間のエゴが環境を破壊し…戦争…飢餓…」と直接
口頭で訴えるコトじゃなくて、
それに付随する(リアルな)描写、
例えば激しい暴力、胸を打つような悲惨な光景、など映画として
「画で見せる」のが大事です。
直接的な描写がダメでも
かつて〜セブンやゴ○ラvsヘド○のような作品が成し遂げてきた
「特撮でこそ子供たち、大人たちにメッセージを」という信念を伝承しようという心意気が感じられない。
単純に「思い」が先走っちゃって十分に企画を練るタイミング、時間が合わなくて、こういう見せ方を泣く泣くする事になったのだろうとこちら側で汲み取るしかないですね。
(心の声)『終始上から物を言うようですが、僕は本当にこの映画に対して真摯に向き合い、考えて、作り手の思いに寄り添う努力をした上で書いています。これ位失礼でもいいよね?』
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とは言え良いところもありましたよ!そりゃ!
冒頭のフィリピンっぽい海外での乱闘シーンとか!
取って付けたような公害描写は短かったけど、環境汚染というテーマに立ち戻っている感じがちょっとして良かったよ!こういうシーンもっとやってよ!
新旧ショッカーの対立とかね!
(まぁでもゲルダム団残党って設定のが燃えるのにな。マニアックすぎるのかな?)
ラストのバイクで走り去っていく終わり方は昭和らしさが唯一あって、ココは良かった。
あとは、ノバショッカーの改造人間の造形はスゴい良かった!
人の目が外から見えるつくりで昭和怪人的不気味さがあって良かった!

【以下、下らな過ぎてツッコむのも憚れるシーン】
酒場での戦闘員同士のケンカ
ケンカの内容は、イー!イー?イー。イー!イー!イー!イー💢
間の悪いギャグ風シーンの数々。
高校に潜入する一連のアレ。
ロハス気取りの大自然での生活。
女子高校生とデートする猛、猛を猛と呼ぶ女子高校生。
死期を悟り、フラつく猛。
タケルが死人と気づき、「ライダーも変わったな…」と呟く猛。
(完全にため息)
ショッカーとの闘いを2回ほどバックレる猛。デートを優先する腑抜けな猛。そのデートの為にバイトをする猛。先述の通り、肉体的に限界なのにも関わらず、あえて肉体労働のバイトを選ぶ猛。
よって結局死ぬ猛。
直ぐに火葬を試みる御成。
JKが泣くと蘇る猛。←(ここで今度は僕の目が死にました。)
静音搭載サイクロン、
地獄大使との共闘、徹夜明けで闘い続けてるマコト兄ちゃん。今作1番の功労者です。
長いレジェンドアイコンを使ってのアクションシーン。

ショッカーの怪人がここ最近の使い回しメンツ、毒トカゲ男・シオマネキング・ガニコウモル(←えー、ここにスパイがいる気がするんですが。)