中産階級ぶたくんを舐めるな

異端の鳥の中産階級ぶたくんを舐めるなのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.0
【説明せずとも分かってしまう。察して感じる残酷さ・悲惨さ】

映画内で説明される事は何もないです。が、現実世界で児童虐待・DV・性的虐待・村八分・外国人差別・快楽殺人に日々直面している現代人のひとりとしては、いつも見てるニュースを(メディアという水で薄めず)むせかえる程の原液でごくごく飲まされる感じでした。
上映1時間過ぎたあたりから
「あの〜、もう終わりにしてもらえますか?」とお願いし続けてました。
しかし余りにも省略された説明シーンは映像面でも言えることで。
「で、その後帰ったの?」とか
「その場から脱出したところはカットなのか」など、矢継ぎ早に地獄を上乗せしてくるせいで、一つ一つのチャプターにちゃんとオチがつかないまま、次の話に移行してしまう。。。少し映画の出来として気になってしまいました。

何のために観るのか
地獄のような体験を金払ってまで何故する必要があるのか?それは逃避できない瞬間がいつかはくるからです。もう消えて無くなりたくなるほど、酷い目にあった時にそれを耐え抜くための特訓のようなものとして、実在した(している)人間社会の醜さ救いようのなさに自分を慣らしておくためだと思います。
楽しくない娯楽はきっと強く生きていく為の糧になるはずです。