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百日紅 Miss HOKUSAIのmingoのレビュー・感想・評価

百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)
3.6
テアトル新宿にて鑑賞。
原恵一アニメはアニメに対する壁がなくて見やすい。

本作を観てて一番強く感じたのは、何より人と人の距離感がいい。

しみったれてないし、女々しくもないし、それでいてしみじみするものもあり、心の底から江戸の風情良いな〜と思う。橋ですれ違う人たちの匂いが香ってくるような情緒、アニメで表現される事の優位性が発揮されていて心地よい。

百鬼夜行とかの物語云々は割とどうでもよかったが、庶民の風俗、文化、死生観などが当たり前の日常として淡々と語られていくのが心地よく、いつまでもこの空気の中に漂っていたいと思わせてくれた力作。

雪がしんしんと積もり、雪遊びにより、音そのものの楽しさを感じさせてくれるシークエンスがとても印象的だ。
音楽の使い方だけが、個人的に馴染めなかったのが残念。しかし現代に疲れた心の隙間にスーッと入り込み、癒しを与えてくれる一本であることには違いない。
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