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この国の空のmuraのレビュー・感想・評価

この国の空(2015年製作の映画)
4.0
湯布院映画祭にて。荒井晴彦監督らの話を聞きながら。

この夏は戦争を描いた映画をいくつか見てきた。そしと、最後はやっぱりこの映画かなと。

戦時と言いつつも、みんなが同じ方向を向いていたわけではないってことか。食べ物を確保することに必死な女がいれば、出征だけは絶対に避けたいと思う男がいる…そして、好きな男に抱かれたいと思う女がいれば、妻子がいても目の前の女を抱きたいと思う男がいる。

人間としての感情に、戦時も非戦時もないということに気づかされる。最後に暗転して示される「私の戦争はこれから始まる」という言葉にもそれはあらわされている。

よくできた映画だと思う。ただ、なぜかこの女に寄り添えなかった。最後に朗読される「わたしが一番きれいだったとき」という詩の「一度きれいだったとき」を感じえなかったからか。
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