ちゃんちゃん焼き

われらが背きし者のちゃんちゃん焼きのレビュー・感想・評価

われらが背きし者(2015年製作の映画)
4.2
ジョン・ル・カレ好きならば絶対に観るであろう映画。難解だと身構えて前日たっぷり睡眠を取って挑んだけれど、思っていたよりわかりやすかった。
この英国人大丈夫か、っていうくらい巻き込まれていくペリーなのだけれど、人間としての良心が垣間見れて、応援する視点で見てしまう。ディマはマネー・ロンダリングをするロシアンマフィアで、一般人であるペリーは関わる必要もないのに、妻を含めて彼らを懸命に救おうとする。懐疑心の強いディマは、M16の言うことをすぐにはきかないし、実際困ったことが次々起こる。ディマはナンバーを記憶出来るんだというエピソードがうまく生かされ、賢いマフィアに好感がもてた。激しいアクションはないけれど、銃撃戦ははらはらしたし、ディマの気遣いに感動もした。妻のゲイル(ナオミ・ハリス)もよかったし、M16のヘクター(ダミアン・ルイス)もよかった(エプロン姿も含めて)。チョイ役でマーク・ゲイティスが出ていたのも英国俳優ファンにはうれしいところ。ユアン・マクレガーは最近観たうちでは、『ゴーストライター』の名演が記憶に残っているが、今回もそれに負けず劣らずのちからの入れようだったように思う。