Aya

われらが背きし者のAyaのレビュー・感想・評価

われらが背きし者(2015年製作の映画)
3.6
すごく良かった〜!

ジョン・ル・カレ作品にしては分かりやすく描かれてるのがうまく作用してる。

ロシアン・マフィアのスカルズガルド父はモロッコ旅行中にレストランで偶然出会ったユアン・マクレガーに一緒に酒を飲もうと話しかける。
親友の子がイギリスの政治家と結託し、スイス銀行を誘致しようとしているが、そろそろ足を洗いたい。家族のために。

そんなスカルズガルド父は詩を教えるユアンをプロフェッサーと呼んで協力を求める。
何気に出会っただけなのに、家族を思うスカルズガルド父の力になって彼の家族を守りたいと次第に妻で弁護士のナオミ・ワッツや話を持ちかけるMI6も巻き込んで攻防が始まる・・・。

すっごいロケしてるのですっごいお金かかってると思う!
コレ日本で公開してたのかな?
未体験ゾーンとかでやってそうだけど、わかる方教えてください。

ここ10数年間ほどは定期的に映画化されるジョン・ル・カレ原作作品。

私、わりとこの人の映画化分かんなくてw
「裏切りのサーカス」ですら4回見てもよくわかってなくて。
フィリップ・シーモア・ホフマン主演の「誰よりも狙われた男」は気持ちよく寝てましたw

今回はすっごく分かりやすかった!!
ロシアンマフィアって単純にタトゥーが凄かったり、半世襲制というかなんやったら身内でも殺す!感とかわかりやすいじゃないですかw

そんなロシアンマフィアとゆかりの深いロンドン(何この語弊のある言い方w)へスカルズガルド父がやべえよ!ずっと面倒見てきたガキが俺のこと邪魔者扱いしやがって殺されそうなんだよ!
イギリスの政治家とスイスの銀行とロシアンマフィアの取引に巻き込まれて、その情報渡すから頼むから家族だけでも逃がしてやってくれ!で、コイツ!このユアン・マクレガーとかいう大学教授が俺のアシスタントで話聞きにやるから!

って話w

1つの伝統ある銃が一発も球を発さないのに、巡り巡って重要な役割を果たすのも良い。

冒頭の雪の深い中での惨事が悲しいかな美しく、セリフもいちいち気が利いてる。

マフィアもスマートで、MI6の奴もすっげえいい奴と、すっげえ感じ悪い奴と、そうでもないけど影薄い奴の役割がきちんと処理される展開。

ユアン・マクレガーとナオミ・ワッツの嫁さんの方がバリバリ稼いでて、自分はしょぼい詩をクソみたいな学生に教えて・・・と劣等感抱きまくりの夫婦。
10年子供ができなくてギクシャクしてきてたけど、全然関係ない他人の子供を守る、という過程を経て関係を取り戻していくところもすごく好みでした。

実際に8人も子供がいる(上は40歳から下は5歳まで)ステラン・スカルズガルドだからこその家族を大切に思う姿が切なくて抜群の説得力があるな、と。
しかも一部実子ではないのに・・・。

話はそんなに難しくないので、ジョン・ル・カレってどれから見たらいいの?!という人には断然これがオススメ。
Aya

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