JIN

トイレのピエタのJINのレビュー・感想・評価

トイレのピエタ(2015年製作の映画)
4.2
RADWIMPSの野田洋次郎が果たしてちゃんと演技できるのか?っていうのが一番の興味ではあった。
まああの役なら本人はわりと自然体で演技できたんじゃないかな?
全体としては何か危ういバランスで違和感みたいなものを感じるキャスト達の演技だったようには思う。
そこがまた面白くもあったけど。

『トイレのピエタ』は手塚治虫が生前最後に出したアイデアと言われてるけど、映画化にあたってそこはもう脚本・監督の松永大司氏が自分の拡大解釈で作ったと思われる。
恋愛要素も随分広げられてるように感じたしね。
観ていて、人間は自分の意志で死んじゃダメなのか?なぜ生きるんだろうか?などと人間の「生と死」のことばかり考えてしまった。

野田洋次郎初主演映画になるわけやけど、リリー・フランキー、宮沢りえ、大竹しのぶといった演技の達者な人達がいた中で、杉咲花の演技がとても瑞々しく輝いて見えた。
あのフレッシュ感にはかなり助けられた作品だと思う。
ほとんど死んでるみたいな表情の無い野田洋次郎の役を引っ張ってた。

個人的には生と死を考えさせられ、感動したし、素直にイイ映画だと思う。
映画っぽい映画だとも思った。
手塚るみ子さんは「トイレのピエタをタイトルに使ってほしくなかった」と言ってるようやけど、それはそれで。
JIN

JIN