ジェイクが演じる男は、もともと、電線みたいなチンケなものを盗もうとして警備員に捕まってもそいつを殴ってそいつがつけてたどうせちんけな時計をさらに盗むように自分がやると決めたらなんでもやるという実行力を持っていた。盗品と交換してカメラを手に入れたその後は、スクープ映像を撮るという目的遂行のためには誰が傷ついても構わないといった感じで一心不乱に強盗や殺人の現場を撮影しようと無茶をしだす。
ネットで自己流で学んだビジネス処世術やら交渉術で安っぽい世界で成り上がっていくことで悦に入るジェイク。スクープの撮影に成功しても結局得られるものは変なおばちゃんからのリスペクトとかままごとみたいな自己経営の会社のみ。というどこまでいってもちんけな悲しい人生を描いている。
殺人現場のスクープ映像を見たいってような大衆の下衆な欲望を満たすことにいくら頑張ってもたどり着けるのは結局下衆な世界だよ、という不憫さに疑問ももたずにナルシスティックに仕事に精を出す自己完結的な男を描いた、一歩引いてみるとコメディみたいに思えるおかしな映画。
