ノッチ

アンドリュー・ロイド=ウェバー ラヴ・ネヴァー・ダイズのノッチのレビュー・感想・評価

3.0
オペラ座で巻き起こった怪人の謎から10年の月日が流れていた。

ファントムはニューヨークへと逃れ、コニー・アイランドで自らの音楽を昇華させる舞台を作り上げていた。

一方、ラウルと結婚したクリスティーヌは息子も一人授かっていたが、あまり幸福とは言えない日々を送っていた。

ある日、ニューヨークから歌手として舞台の出演依頼を受けたクリスティーヌは、ラウルや息子とともに海を渡るが、図らずもファントムと再び巡り会ってしまう。

『オペラ座の怪人2』とも呼ばれる、不朽の名作『オペラ座の怪人』の続編ミュージカル。

ミュージカル『オペラ座の怪人』から10年後のお話。

パリを去ったファントムが、実はニューヨークのコニーアイランドでアミューズメントパークを作っていたという、かなり突拍子な設定のストーリーです。

「有名作家が自分の作品の同人誌書いた」みたいな感じ。

前作の登場人物、ファントム、クリスティーヌ、ラウル、メグジリ、マダムジリーにクリスティーヌの子どもグスタフが主要な登場人物。

初演は2010年の春、ロンドンでの開幕だそうですが、2011年夏には早々に打ち切りに……。

しかし、舞台の造りも豪華で流れるように展開していくのは流石。

アンドリュー・ロイド・ウェバー節が満載のドラマチックで、美しくも切ないラブストーリーとなっている。

所々に前作のメロディーや前作の名シーンを思わせる演出があってゾクゾクします。

新しく作った曲の中に密かにイル・ムートの旋律が紛れてたり、ファントムが仕込んだ楽譜があの曲だったり、猿のオルゴールを思い出すシーンや登場人物のポーズが前作と同じなシーンもチラホラ。

『オペラ座の怪人』を何度も見てる人なら、それらを探すのも楽しみの一つになるかも。

ただ個人的には、『オペラ座の怪人』は『オペラ座の怪人』としてやはり完結した物語として見たほうがよいと思いました。

でも『オペラ座の怪人』の「あの続きを見たい」といった時に、こういうストーリーもありかと。
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