LalaーMukuーMerry

マクファーランド 栄光への疾走のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.6
とても良いお話だった。感激した。高校のスポーツの先生によって、夢を持つことができ、やる気スイッチが入って人生を切り開いていった生徒たち。長い人生に比べたら、人が変わる時は一瞬でしかない。でもその一瞬はとても大切だ。変わるきっかけを与えることができる先生という仕事はすばらしいと思う。
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だがこの作品では先生も問題を抱えた一人の人間。アイダホ州の高校アメフト部のコーチ時代に、いきすぎた指導でトラブルを起こして、カリフォルニア州の内陸部マクファーランドに引っ越してきたばかり。メキシコ系移民が多く、よそ者には危険な雰囲気の町にもなじめなかった。
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アーモンド、オレンジ、トマト、キャベツ・・・大規模農場で低賃金の農業労働をして生計を立てている移民の子たちが通うマクファーランド高校。未来を思い描くことができない彼らは、高校を出ても良い仕事につけず、道を踏み外して刑務所に入ったり出たりが当たり前。
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問題を抱えた先生と未来のない生徒達が出会って、次第に奇跡の化学反応が進んでいく。
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家のため早朝まだ暗いうちから農場で働き、それから高校に走ってやって来る彼らに、走る才能があることに気づいた先生は、クロスカントリー部を作って練習を始めるのだが・・・
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生徒たちとコーチの距離感がいいです。一つ一つのエピソードもとても良い。ジムホワイト先生(=ケヴィン・コスナー)と生徒達のTrue Story。ラストのテロップで彼らのその後の人生がサラっと流れ、ジーンとなります。
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Filmarksの見たよチェックの数がこんなに少ないのはちょっとおかしい。もっと多くの人に見られるべきだと思います。
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風に舞う鳥のようにオレンジ畑を駆ける
走る時、俺たちは地上の支配者だ

鳥たちと話せる
走る時、俺たちは「無能な移民」じゃない

魂が天まで昇り、神々と語らう
走る時、俺たちは神だ