Daisuke

スーサイド・スクワッドのDaisukeのレビュー・感想・評価

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)
3.7
[悪党]

公開当初からどうも否定的な感想を目にしていたせいか、ハードルを極端に下げていたせいか、
それとも自分がアメコミものをあまり積極的に見ないせいか、普通に楽しめました。

前半の説明的でくどいと言われてるキャラクター紹介もそこまで苦にならず、弱すぎると言われてる敵キャラクターも気にならず、
なぜ自分がそこまですんなりとこの物語を楽しめてしまったのか、逆に不思議な気持ちになりました。

おそらくはデッドショットやハーレークイーンなどの出てくるキャラクター達が自分には「好み」だったのだと思います。
確かにもう少し悪党らしい見せ場があってもいいかなとは思いましたし、特にハーレークイーンが「ジョーカーを強烈に好きな理由」を映像で見せて欲しかったかなとは思いました。

ハーレークイーンの女性像が前時代的だという批判もあったみたいですが、自分としては「ジョーカーとの関係」をもっと強烈に見せていればそこまで批判されなかったのでは?とも思います。

ですが、やっぱり嫌いになれないし、むしろ好きだなあと思えるキャラクター達でした。
特に好きだったキャラクターが炎を操る男です。
彼は自分の力を抑えきれずにある大きな過ちを犯してしまい、それ以来、自分の力を押さえつけてきた男でした。
この「炎」というのは「暴力」と置き換えて見る事もでき(完全に個人的な視点ですが)、その力を悪党である彼らだけは「クールだな」と認めてくれる。そこがとても好きな部分でした。

悪党たちは、それぞれの信念と共に社会に背を向けています。
世界を混沌に陥れる巨大な悪は、その彼らへ精神攻撃を仕掛けた時に、彼らの本当の願望が見え、そこに少しグッときてしまいました。
たとえ暖かい幻想が見えていても、それでも引き金を引く。

真の悪党は自分の信念は絶対に曲げない。
この映画には私の大好きな「悪党」たちが映っていたのです。
Daisuke

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