湯のみ

合葬の湯のみのレビュー・感想・評価

合葬(2015年製作の映画)
3.7
合戦のシーンが割愛されているのには賛否両論だと思うけど、わたしは良いと思う。
どこか戦を、物事の本質を現実的に捉えられないまま、あっという間に散っていく命。そしてやって来る新しい時代。

移り変わる時流に色んな意見を持つ者がいる中、ふんわりと生きている柾乃助。楽観的に見える彼の心の内にある疑問や、戸惑いや不安が、なんだか分かる気がする。今は、そんな生き方しかできない。そうとしかできなかったんだろう。

時折挟まれる怪談話もあって、作品全体を通して何かつかみ所のないような、果てしない気持ちにさせられた。

前後どこまでも繋がっている時代のほんの一瞬に、彼らもわたしも、生きているのだ。

原作も読んでみたいなぁ。
湯のみ

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