茶一郎

バケモノの子の茶一郎のレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.7
『目に見える絆』

 細田守監督作、前作「おおかみこども〜」の際に作ったスタジオ地図制作作品です。少しエンタメ寄りに戻ったという印象でした。今、公開作の中では家族連れで最も安心して見られる作品かと思います。

 今作より細田守監督の作家性のようなもの、言葉にすれば簡単ですが『絆』:目には見えない『絆』を寓話的に描き、アニメーションで可視化すること。なのではないかと思いました。

 今作では、父親としての内面の成長、主人公(九太)の内面の成長と体格の成長が描かれます。ここで時間経過と共に、『人間』の身体の変化をアニメで描いている監督の姿勢が非常に興味深いと思いました。
 全編通して、監督特有の引き画からのパンが気持ち良い!アニメとして美しい!
 一方で、最後の敵の描写がやや少ない、掘り込み不足と感じると、突然ストーリーに置いていかれるような感覚になってしまう気もしてしまいました。

 映像美、アニメ表現、役者陣の演技、と大満足だったのですが、広瀬すずさんは「海街diary」よろしく本当にバケモノ的な才能だと思いました。


話題作が引っ切り無しで公開されて大変ですね…
茶一郎

茶一郎