まっつぁんこ

怒りのまっつぁんこのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.6
巷の評判は良いようだがいまひとつだった。

森直人氏のように「正真正銘のハイボルテージ、怪作に近い大傑作!
“怒り”というプリズムを通してできる強烈で複雑な光と影を、すべて同時に映していく人間模様の熱いかたまり。」
など絶賛評も目立つ。
(彼は坂本龍一のスコアも大絶賛)

題名ともなっている“怒り”であるが、わたしは何故犯人が犯行現場に“怒り”と書いたのかわからなかった。
一番のミステリーはそこにあると思うのだが、犯人らしき三人の男のうちいったい誰が犯人なのか?犯人捜しが重視され“怒り”はどこかへいってしまっていた。
それはあんたの頭が悪いからだと言われるとそうかもしれないと言う他ない。
原作を読めばわかるのだろうか?
とにかくわたしはわからなかったし、そこが本作の最大の弱点。
怪しげな3人の男のうち一番怪しげな男を提示。
一番ありそうにない奴が犯人でした!みたいな安っぽい犯人捜しに堕してしまった。
言い過ぎかな?(笑)

演者の中で一番印象に残ったのは宮崎あおい。
まだまだの広瀬すずがいたこともあり、うまさがきわだっていた。
オーディションで役をゲットして李相日監督のしごきに耐えた広瀬すずだって頑張っていた。
でもやっぱり、すずはまだまだであおいちゃんはうまい。
客を呼ぶためのキャスティング要素もあったにちがいない。
すずはやっぱり広瀬すずだったし、あおいちゃんはこれが本当に宮崎あおいなのかと思わせるさすがの演技だった。(笑)

冒頭でのべた坂本龍一のスコアだけど俺はこれもいまいちだった。
なんかうるさい。
前に出てきすぎ。ひっこんでろ!と思った(笑)
映画音楽というと坂本龍一みたいなのがいつまで続くのだという思いもある。
次から次へと新しい才能が出てきてロートルは追いやられる。
それが正常な姿だと思うが日本のエンタメはそうじゃない。
稀代のメロディー・メーカー、ポール・マッカトニーですら20年以上ヒットはない。
競争が激しければそんなものだと思う。

李相日監督にしてもフラガール (2006年)はすばらしかったがその後はダメ。
一度当てたからといって、その後もたいしたものでなくてももてはやされるのは困る。
この作品も、いっぱいおかしなところがあった。
が、ネタバレはつまらないので書かない。
観た後で感想を書き込んでください。レスします(笑)