まっつぁんこ

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像のまっつぁんこのレビュー・感想・評価

4.4
ジェームズ・グレイ監督が自身の少年時代の実体験をもとに創り上げた人間ドラマ。
ポール少年とクラスの問題児である黒人生徒ジョニーとの関係が物語の軸。
偏見に乏しい(笑)ポール少年はジョニーと友情を育んでいくが、それが周りや家族との軋轢をまねく。
ふたりはそんな環境に嫌気がさして脱出をこころみる。

それが終盤にかけての大事件につながる。
ふたりは協力して、ポールの学校に夜間侵入。
勝手知ったる教室からパソコンを盗み出す。
売り払って逃亡資金を得るだんどりである。

そんな試みが成功するはずもない。
買取店の店主に通報され、あえなく捕まってしまう。
ジョニーはポールの関与を否定。
ポールはふたりでやったのだと主張。

幸いなことに(?)ポールを引き取りに来た父アーヴィングは担当警察官と知り合いだった。
(たしか給湯器を無料で修理してやったことがあったのだと思う)
そのためポールは罪をまぬがれるがジョニーはそうはいかない。
映画でジョニーのその後が描かれることはなかったが悲惨な末路をたどったであろう。

これは中学生からその親御さんくらいまでが観るべき渋い映画だった。
なにも結論めいたことも道徳的見解もしめされるわけではない。
描かれたドラマについてさまざまな観点から考察することが可能だろう。
学校でみんなで観て議論すればいいと思った。