さっちん

怒りのさっちんのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.9
いきなり個人的な脱線話です。
後半に少し映画のレビューもありますが、読みたくない方はここでやめておいてください。すみません。m(_ _)m

私は人生で死刑囚と無期懲役の凶悪犯、それぞれ1人ずつと出会っています。

死刑囚になって、今から20年以上前に刑が執行されたXさん(イニシャルも伏せています)は、私が高校時代、ずっとバイトをしていた、とある飲食店の常連客で、その店の店舗が入っている同じマンションに、愛人の女性と一緒に暮らしてはりました。

なので、出前の食器も自宅に取りに行ったことがあるし、土日だけのバイトでしたが、毎週必ず見かけるほどの常連さんで、愛人さんと来た時は店で一番高いこのメニュー、1人で来たときは、店で一番安いこのメニューと、いつも決まっていて、注文を取るのが主ですが、他に軽く会話もしたことがあるし、お釣りを渡すとき、その手に触れたことも何度もあります。

人生で初めて見た携帯電話(ショルダーバックくらいのサイズの大きくて重たいもの)も、その人の持ち物で、わざわざ店主と私を外に連れ出して、車に積まれたものを得意げに見せてくれました。
その時のこと、昨日のことのように覚えています。

高校生の子供ながらに、虚栄心が異常に強くて、自慢話ばかりして悪目立ちする独特のインパクトをその人に感じていましたが、卒業が近くなってバイトをやめてすぐのとある日、新聞を手に取ると、その一面に、「11人殺害の連続殺人犯逮捕!」と、大きな見出しで書かれていて、そこに載っていた顔写真が、よーく見慣れたその人の顔で、息が止まるかと思うほどの衝撃でした。
(逮捕後、余罪が次々と明るみになって、最終的には22人殺害の疑いと、これを書くために見たWikipediaに書かれていて、さらなるショックを受けました。ひょっとしたら、人を殺したばかりのその手に触れ、被害者から奪ったお金を受け取っていたのでは?!と、恐怖に震えます。)
数十年経った今でも、ガニ股の特徴的な歩き方、その顔、声、鮮明に覚えています。

それだけでも、相当な出来事なんですが、それから10数年後、もう結婚して子供もいる年になって、たまたま初めて訪れた近所の洋食屋さんで、カウンターに座って大声で店主に自分の自慢話をするおばさんに出会って、ただ、近くのテーブル席から見ていただけなんだけど、その時に、無意識に、この人、Xさんになんか似てるな〜と、思ってたんです。
やたら自慢話ばかりして、店の中で悪目立ちしているところが‥。
普通、食べ物屋さんで一緒に居合わせた人のことなんて覚えてないものだけど、私にその昔、衝撃を与えた人物とあまりにも言動が似た人だったので、すごく印象に残っていました。

そして、それから1週間もたたないくらいのある日、ボーッとお昼のニュースを見ていたら、その時のおばさんにそっくりな顔写真が出てきて、でも、「まさかな〜」と思いながら見ていたら、その後に出てきた住所が、うちからすぐ近くで、やっぱりあの時の!‥と確信しました。
(凶悪な犯罪都市と思われそうなので、地元をかばうために言うと、その人は犯行後、他府県にあたるうちの地元に越してきて借家に住んでいたらしいです。)
旦那さんを殺して、バラバラにして、鍋でグツグツ煮て、残りは冷蔵庫に隠していたらしく、その後どうなったかは知らなかったけど、無期懲役の刑が下ってたらしいです。(過去にも殺人して服役してたことがあるらしい。)

と、いうことで、相当長文な脱線話になりましたが、凶悪犯って、意外と身近にいたりするんですよね。
私はそれを身をもって知っている‥。(−_−;)
なので、今作の話、他人事と思えなかった。

私の場合、バイト先のお客さん程度の知り合いだったってだけの関係で、それでもこれだけ衝撃を受けたのに、それが自分にとって大切な人だったら‥と思うと、そのショックは計り知れないだろう。
そうかもしれないと疑念を抱くことの苦しさもわかる。

皆さん軒並み絶賛レビューをされていて、満点近いハイスコアの今作ですが、私が共感できたのは、そこまで。
後は、「うん?」となることの方が多くて、皆さんほどの感動は得られず。

でも、観終わってから、色々考えさせられることが次々と浮かんできて、やっぱり深みのある作品やったなぁ〜と思うし、演じてる役者さんたちの演技は本当に素晴らしかった!!
特にゲイカップル、日本の映画で、あんなにリアルなカップルに見えるものは、私は初めて観た。

うーん‥、でも、あとはうまく感想がまとまらない。

と、いうことで、個人的な、脱線話ばかりのレビューで大変失礼しました。m(_ _)m
凶悪犯を見ると、どうしても一番に思い出してしまうことを、書いてしまいました。
あんまり、人にペラペラ喋れることじゃなくて、結構胸におさめてるのがキツかった話なので、ここに書かせてもらえて、ちょっとスッとしました。
でも、なんかすみません。m(_ _)m
さっちん

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