さっちん

ファーストラヴのさっちんのレビュー・感想・評価

ファーストラヴ(2021年製作の映画)
3.7
舞台挨拶付き劇場鑑賞。

これまで何作も中村倫也さん出演映画を続けて劇場で観てきましたが😅、今作が1番私的にはハマりました。
で、観終わった日から原作本を読んで昨夜やっと読み終わり‥。

自分が本を読むスピードが早いのか遅いのかわからないけど、読了に8時間近くはかかった内容を、2時間ほどの映画にまとめるために、登場人物も、出来事も色々削られている為、ここは原作どうり加えた方が‥と思う部分もあったけど、全体的には必要なエピソードが綺麗にまとまっていて、本ではあまり感情を揺さぶられることがなかったけど、劇場では何度もツツーっと涙が流れました。

以下ネタバレの感想をただワーっと書き出してみます。






・1番違和感があったのは最終バスを逃して由紀と迦葉がホテルに泊まることになったときの出来事。
そのシーンのために、原作を読んでなにより必要と思ったのは、由紀の成人式の日に、母親に父親の少女買春の事を告げられ、その日から由紀がセックス依存症のようになって誰かれ構わずそのような行為に耽った時期がある‥というエピソード。
それを省いたのは、由紀役の北川景子さんのイメージなのかなぁ‥。
成人式の日の同窓会で再会した同級生と翌朝まで(昼までだったかも?)激しくやりまくったなんてシーン、北川景子さんのイメージぶっ壊れますものね。
なので、いきなりあの日のシーンになって、キスをしただけで、唐突に上半身キッチリ着衣もつけたままいきなり致そうとしても、「そりゃそうなるでしょうよ」って結果になるだろうし、何よりあれでは、由紀ってひょっとして処女だった?ってまったく違う誤解をしてしまう。
あと、原作では由紀のアパートでの出来事だったけど、その設定をホテルに変えたことで、迦葉が開けたあの壁の穴の弁償を、お金のない2人がどうしたのか気になって仕方なかった。

・焼肉屋さんのキッチンバサミで由紀の髪の毛を切るシーン、原作どうり駅前の美容室でカットで良かったのでは?
店の脇に髪の毛いっぱい落とされたら、上に書いた壁の穴同様どえらい迷惑やし、食べ物切るやつで髪の毛もね‥。

・北川景子さんの容姿が美しすぎて、同性ながら見惚れまくってしまった。
必要と思う激しいセックスシーンが省かれていた点で、もっとそういうシーンも厭わない女優さんだったら?って考えも頭をかすめたけど、その圧倒的な美しさを堪能できたので、まぁ、これで良しってことで。😅
 
・窪塚洋介さん演じる我聞が、穏やかでめっちゃいい人、それでいて鈍感ではなく、感覚はとても鋭くて素敵すぎた。
窪塚洋介さんといえば、世の中を斜めに見てるような悪そうな役が多かった気がするけど、こんな善良を絵に描いたような役の人物にもなりきっていて、うまいなぁ〜と思ったと同時に、ドラマGTOの生徒役で初めて見た時に、「かっこいいなぁ〜」と画面に釘付けになった昔を思い出すほど本当に魅力的だった。

・芳根京子さん、原作の聖山環菜とは、見た目のイメージが違うなぁと、原作を読んだばっかりに思うけど、そんなことを覆すくらい、役に入り込んでいて迫真の演技でした。

・ファーストラヴというタイトルの意味、映画観て、原作読んで、こちらのレビューも色々拝見させて頂いて、でもよくわかんない。
なんか、生まれてきて初めて受ける親の愛のことでは?というご意見が多い気がしますが、環菜や由紀や迦葉はそれを受けずに子供時代を送ったから、そのことを指している?
では、裕二くんとの出会いのことは?
環菜は、それをファーストラヴと思い込もうとして救われていたのでは?とか、色々考えてやっぱりわからないという‥。

・高岡早紀さん演じる由紀の母が、父親の秘密を知って車外に振袖姿で飛び出し嘔吐する由紀を見てうっすら微笑むシーン、強烈に印象に残りました。
自分の心の重荷を、成人式のその日に娘にも背負わせようとする母親の残酷さに身震いがし、原作にはないこのシーン、1番映画化されてよかったと思うシーンでした。


・ドラマ「凪のお暇」を観て以来、中村倫也さんの演技に惹かれて、チョイ役を含めると、この人どれだけ出演作あるの?ってくらいの作品をコツコツ観てます。
あまりに色んな役をやりすぎておられる為、本当にちょっとした演じ分けの違いを見比べようとし過ぎてしまい、逆に物語に入り込めなくなってしまっている感じで‥。
でも、この前の出演作の「サイレントトーキョー」があまりにもハマらなかったので、今作はハマれて良かったと、不思議と安堵しました。

・ぬくぬくと何の問題もなく愛情をた〜っぷり注がれる家庭の子供ってどれくらいの割合いるんだろう?
どの家庭も大なり小なりある程度の問題を抱えてるのではないかと‥。
それが今作のような犯罪(事故?)に繋がるか繋がらないかは紙一重なのではないか‥と思いました。
まぁ、今作の母昭菜と環菜の病み方などは相当激しいものだったけど。

・上映後の舞台挨拶で、環菜の義理の父親役の板尾創路さんが、「トイレの床に水があったのがすべての原因や!」みたいなことを言うてはるのを聞いて、声を出して笑いました。
ホンマにそのとうり!

・容姿端麗な女優さんや俳優さんを愛でるエンタメ作品としても楽しめたし、家族の在り方や自分の生いたちなどにも思いを巡らせて心の根っこの部分から涙溢れる作品でもありました。
観て良かった。



以上、ただツラツラ思ったことを書き出しました。なんという長文!自分でも呆れますが、まぁ、自分のための感想ということで‥。😅
もし万一全部読んだという方がおられましたら、無駄に労力を使わせてしまってすみません。💦
さっちん

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