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怒りのtajimaのネタバレレビュー・内容・結末

怒り(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

殺人犯が逃亡しているニュースが流れる。それから、3人の身元不明の男たちの物語が別々に進行していくが、周囲の人間は男たちを怪しんで行く。
それぞれの男は事情を抱えているため、身元を明かせない。その理由が切なく、泣けてくる。
1.田代(松山ケンイチ)を怪しんで警察に通報した愛子(宮﨑あおい)は、田代が犯人ではないと知り号泣します。信じきれなかった自分と安堵からでしょう。このシーンに音声はなく映像だけですが、とても迫力がありました。
2.優馬(妻夫木聡)は同棲している直人(綾野剛)を怪しみます。直人が女性とカフェにいるのを優馬が目撃し、そのことについて質問した直後に直人は姿を消します。そして警察から直人さんをご存知ですかと尋ねられ知りませんと答え、家にある直人の持ち物を全て処分します。しかし、直人は孤児院出身でカフェにいた女性も孤児院出身で兄弟のような関係でした。直人は病気を抱えており死近かったため姿を消したのでした。優馬は直人を疑ったこと、以前に「一緒の墓に入るか」「隣の墓ならいいよ」という会話を思いだし涙します。
3.田中(森山未來)は沖縄の無人島で生活しています。辰哉は田中を慕っており泉(広瀬すず)を無人島に連れていきます。泉は田中の自由な生き方に興味を持ちます。辰哉は泉に恋心を抱いています。そんな3人が居酒屋に行き、辰哉は嫉妬から泡盛を飲みベロベロになり、帰るときに一人でどこかへ行ってしまいます。田中は無人島へ戻り、泉は辰哉を探しに街を探索します。そのうち米兵がいる地域に入ってしまい、暴行を受けてしまいます。辰哉もその現場に居ますが怖くてビビってしまいます。そのとき誰かが声を出して米兵は逃げていきます。襲われた泉は心に深い傷を負ってしまいます。そのことを辰哉は田中に相談し、田中は一緒に考えようと優しく答えます。その頃から田中は仕事場で荒れはじめ無人島へ逃げます。辰哉が無人島へいくと壁に怒の文字が書かれており、田中も泉が米兵に襲われていたのを見ており助けを呼んだのが自分だと告白します。米兵最後までやれよ、泉が自殺したらウケるなどサイコパス的発言をして辰哉は激昂し田中を殺してしまいます。壁に書かれた泉を侮辱する言葉を辰哉は必死に消そうとしますが、消すことはできません。辰哉が捕まり、泉は真相を知りたく無人島へ行き、全てを悟り発狂します。

逃亡していた犯人は田中でした。人の心を持っているとは思えません。

極限状態でも愛する人を信じることができるか、信じる人に裏切られるもどかしさが描かれた作品です。
同性愛者や沖縄米兵暴行事件など社会問題を提起しています。
また、豪華キャストで贅沢な映画です。

タイトルである現場に残された「怒」の文字の説明がもう少しあれば良かったかと思います。
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