ひでやん

シン・ゴジラのひでやんのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.9
東京湾の水蒸気爆発で「いきなり出た」と興奮したが、その出現はお預けとなり政府の視点へ。

テロップ付きの閣僚がひっきりなしで登場し、早口でまくし立てるシーンがひたすら続くので、怪獣好きな子供たちの心はへし折られただろう。

今作は、未曾有の危機に対して日本はどうするかがテーマであり、主役はゴジラでも逃げ惑う人々でもなく、危機を救う政府と自衛隊。マニュアル、効率の悪い手続き、法律の線引き、閣僚や専門家の意見、そして首相の決断という臨時会議をリアルに映し出す。

巨大生物が上陸した時、ゴジラに見えない第1形態に困惑したが、テーマ曲が流れる第4形態にゾクゾクした。夜の東京で炎を吐き出すシーンは迫力があり、そこが最高潮だった。

石原さとみ扮する特使は日本語で会話できるのに英語が続き、事件は会議室で起きているんじゃないが会議は続く…。

今作の大半を会議が占め、その徹底的に描写された現実世界にゴジラが挿入されるので、その虚構は人間が生み出した害獣、或いは大震災のメタファーに思えた。

凍結か核か、今作の肝となるその選択が気持ち良かった。ラストの尻尾について様々な憶測が飛び交っていますが、荒ぶる神による人間への警告に感じ、続編を思わせるラストだった。
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