ひゅうどんこ

ロシア砂糖のTVコマーシャルのひゅうどんこのレビュー・感想・評価

4.2
◎露🇷🇺国原題:«Русский сахар» (четыре коммерческих рекламы)4つのロシア砂糖の広告の意
◎英題:CF Russian Sugar 


 いやーご無沙汰してます。実はロシアに行ってました✈️、、、、んな訳ありませんね🛬('∀`) '`,、'`,、

 レビュー挙げながら言うのもなんですが、1/4作品のみの鑑賞です。すんません。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm3551960 (0:28)



原題が示す通り、商品広告、というより企業{※①}のイメージクリップとして4つのパターンが製作されたそうで、製作費1万ドルで1本約2ヶ月ほどで作られたのとのこと。
「お茶飲み」「サーカスにて」「ワレーニエ(フルーツ煮)」「冬景色」。

2016年11月3日、同志社大学寒梅館地下1階ハーディホール「ユーリー・ノルシュテイン×高畑勲公開トーク」での特別上映、東京のラピュタ阿佐ヶ谷での周期的な企画上映、、以外の日本での上映記録が出てこない。(・_・)掘っても掘っても出てこない(·_·)。。ソフト化もされてないとなると、4/4全篇コンプリートはかなりの難易度になるかと思われます。

◎「お茶飲み」Ver.
角砂糖を噛り{※②}ながら紅茶セットを抱えてやってくる→サモワール{※③}でお茶を淹れソーサーで飲む→美味ぁーいの笑み
◎「サーカス{※④}にて」Ver.
角砂糖のジャグリング→演技の最後に砂糖の容器丸ごと口に入れまた取り出す
◎「ワレーニエ{※⑤}(フルーツ煮)」Ver.
☚今回はコレを鑑賞
◎「冬景色」Ver.
雪のクリスマスの夜→帰宅してオーブン?暖炉?で親子はお尻を暖め→親ライオンはカクテルグラスに、子ライオンは紅茶?のお伴に砂糖を愉しむ・・・・・そんな4つのテイクがあるようです。{※⑥}


 「ワレーニエ(フルーツ煮)」
バロック調の音楽{※⑦}に合わせて、企業のロゴマークに因んだライオンの親子が登場します。ポカポカ陽気、大鍋で果物をグツグツ。私田舎者なので、野外や土間のかまどで大鍋を使った煮炊きを小さい頃から見てきましたが、何だか気持ちがほかほかわくわくするんですよ。
子供の仕草がよく分かる(*-ω-)。親の仕草も懐かしい感じ(笑)。ちょいとクセになりますね。

現在では便利な調理器具があるようですね。
https://youtu.be/-ncYEJm9G70
業務用かと思いきや、立派な家庭用。お値段、日本円で70~80万円なり。さすが激甘大国🇷🇺ロシア!


┅┅┅❬余談その他❭┅┅┅

{※①} 2002年まで存在した企業体 Компания "Русский сахар" のこと。
http://alloballob.narod.ru/aboutcompany/aboutcompany.html
現在は、RUSAGRO Group of Companies の砂糖部門の傘下に入っている。
https://www.rusagrogroup.ru/index.php?L=1&id=15#jfmulticontent_c98-3

{※②} 現在では緩和されたと思われるものの、ソ連時代を含むロシアの角砂糖は、昔から非常に硬いと言われる。熱い飲み物に入れても溶けにくいため、少しずつ口内で噛み砕きながら飲み物を口に含むのが一般的なスタイルだとか。

{※③} 紅茶などに使用する湯沸かし器。温かい家庭を象徴する物とされる。近年、美術調度品としてInstagramやPinterestなどで多数紹介され再注目されている。

{※④} 元々ソ連にはたくさんのサーカスが存在したが、90年代始めくらいまで日本に呼ぶ場合、ブッキング業者がすべて「ボリショイサーカス」としていた。
「〘懐かCM〙1990年『国立ボリショイ舞台サーカス』/ ほか」(loudestチャンネル様)
https://youtu.be/GpH6AhYsNHA (1:29)
因みに、1992年に本邦初公演、サーカス再ブームの火付け役となったシルク・ドゥ・ソレイユ・エンターテイメント・グループは、新型コロナの影響で、2020年6月29日、約9億ドル(約960億円)の負債を抱え会社更生手続きに入ったことを発表、劇団員3480人を解雇、事実上経営破綻した。

{※⑤} =ヴァレニエは、東ヨーロッパ伝統の、果実の形を残したまま煮詰めたもの(≠ジャム)。ロシア人は、ヴァレニエを舐めながらストレートティーを飲む。ロシア自体甘党のお国柄で、2018年の製糖工業会の統計によると、国民一人当たりの年間消費量(kg)は、世界平均22.6 日本16.5 ロシア39.7となっているが、外食店での使用はカウントされず、冬でもアイスクリームを食べる習慣があり、家庭用での消費が群を抜いて高いため、影の1位との呼び声高い。
ロシアで「Бочка варенья и корзина печенья」(「樽一杯のヴァレニエとバスケット一杯のビスケット」)と言えば、銀貨30枚などと同じく、裏切りの定型句とされる。

{※⑥} ふゅーじょんぷろだくと出版『ユーリ・ノルシュテインの仕事』156、157、223、224ページを参考とした。
本来であればネタバレ相当であるが、鑑賞機会のなさと作品を知ってもらうことの意義を鑑みた結果、ネタバレなしとした。苦情やご批判あれば、コメント欄にお寄せ頂きたい。

{※⑦} A. Corelli - Sonate da Camera Op.2 - No.4 in E Minor
https://youtu.be/nBh5HFnF_3o
(8:26)6:43あたり~

{おまけ} 時折ノルシュテイン氏自身がサイン会をやるらしい。色々余裕ある方は、モスクワ中心地から10kmちょい離れた彼のスタジオへどうぞ! 
Студия Норштейнаノルシュテイン監督公式サイト
http://norshteyn.ru/index.php