Azuという名のブシェミ夫人

ラビリンス/魔王の迷宮のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)
3.8
子供の頃にワクワクしながら観て、大人になってDVDを発見して買ってしまった。
今見るとなかなかに衝撃的だし、チープなんだけれども童心に帰れる。
世界観はそうだなぁ・・・『ネバーエンディングストーリー』と『不思議の国のアリス』と『セサミストリート』を全部載せみたいな。
主人公サラと可愛い赤ちゃんのトビー、魔王ジャレス以外は殆ど全部マペット。
これがキモ可愛いというか、ブサ可愛いというか・・・ネジの外れた様な不思議な彼らになんだか愛着が湧いてくるのです。

妖精退治(可哀相と思いきや・・・)に懸命なゴブリン・ホグルや、見た目は恐いけど臆病で心優しい毛むくじゃらルード、自分も犬だろうに愛犬に乗って奮闘する騎士サー・ディディモスなど、変なヤツばっかりだけど個性豊かで憎めない。
今もどっかで楽しくやってんのかなーみたいな。
懐かしい彼等にまた会えることで、子供の頃にどこかにそっと置き忘れてきてしまった何かをほんのちょっとだけでも取り戻せるような、そんな温かな気持ちになる。
迷宮の中で遭遇する数々の試練も『不思議の国のアリス』のような脳内ハイな感じだったり、頓智の効いたものだったりで可笑しいし、作品全体的に『視覚』にこだわっていて、トリックアートのような表現も印象的。

主人公サラは、まだ16歳のジェニファー・コネリー!
今でもとっても美人さんで憧れの人(ポール・ベタニーの奥様という意味でも♡)だけど、この頃の可愛らしさといったら。
そりゃ、ジャレスも気に入っちゃうよね。

で、この作品で何が一番衝撃的かって言うと魔王ジャレス役デヴィッド・ボウイのタイツ姿。
随所で完全にボウイ様PVな歌い踊るシーンが挟み込まれるんですけど、もう美しいし楽しそうで何よりですよ。
小さいころ見たときも、子供心に『この人・・・何か・・・すごいな・・・』みたいな感覚ありました。
本作ジム・ヘンソン監督の『ダーククリスタル』がお気に入りで出演を快諾したとのことでしたが、ラビリンスに迷い込んじゃったのはボウイの方じゃな・・・すみません。
でも、ジェニファーは『ボウイ様と共演なんてズルイ』って当時いじめられたそうなので、やっぱりカリスマ性ございます!

そんなこんなで、やたらユルい美しき誘拐犯ボウイ魔王様と愛らしいジェニファー&マペットを満喫しました。

あっ最後にお気に入りは、久しぶりの任務を遂行したがる『警告を発する岩たち』です。