HK

魔界都市<新宿>のHKのレビュー・感想・評価

魔界都市<新宿>(1988年製作の映画)
3.3
菊地秀行原作の小説を「妖獣都市」「迷宮物語」などの川尻義昭がアニメ映画化。キャストは堀秀行、鶴ひろみ、頓宮恭子などなど

都市直下型地震、通称魔震によって隔絶されてしまった新宿が舞台。そこには様々な怪現象などが発生し、妖怪などの魔物が跳梁跋扈するとんでもない世界となっていた。そこに一人の念法使いである青年がヒロインと共に怪物退治に向かう。

川尻作品にしては艶めかしさというものがあまり出ていない。だが奇怪な登場人物は出ており、そういう意味では僅かに個性が残っているために彼の作品だとわかる。

なんか個人的には”迫力のない幻魔大戦”みたいな感じの映画って思えた。やはり川尻さん独特の艶めかしさがないとちょっとがっかりになっちゃうかもしれません。

戦闘シーンの迫力もやはりそれ系統だと前述した幻魔大戦とかと比べてしまってそれに比べるとちょっとな~、異空間での戦闘シーンとかだってそっちのほうが迫力あるしな~、見劣りしちゃうな~と思っちゃったりします。

今回のヒロインの声を演じるのは鶴ひろみさん。この方もなくなってしまいましたね。やっぱりこの人の80年代の声は透き通っていて大好き。きまぐれオレンジロードとかも見てみたくなっちゃいますよね。

本当にこの作品でもただ一人清缶剤みたいな役割で聞いているだけで惚れそうな声なので、妖獣都市みたいにエロいシーンがあれば物凄くすきになれたかもしれないのに~と残念に思うばかりですね。

そういえばヒロインの女の子が「結構足早いですから」とはどういう意味なのだろうか。劇中別に足の速さが上手く出ていたような所もなかったのでう~んと思ってしまった。

あの少年を演じるのは頓宮恭子さん。ダーティペアのケイですね。この頃はプロゴルファー猿とかでも少年役やっていましたね。ハスキーな声が溜まらない。

まあ個人的にはあまりこれ以上語ることもないような気がする。艶めかしさとかきわどい演出がなくなってしまうと途端に迫力が希薄になってしまうものの、それでもアクションシーンとかもそこまで悪くはなかったような気がしなくもない。

しかしまあ80年代アニメなので電気のピカピカ演出もすさまじいこと。妖獣都市以上に色々とピカピカしていましたね。

他にも細かい所とかは…異空間というか固有結果の空間の背景がなんか寂しい。細かいアクションが雑。ただ、メフィストと硫酸女との闘いはクールでかっこよかった。あの妖艶さをもっと全面的に出してほしかった。

それでも見れて良かったと思います。川尻作品もっと見てみたいですね。
HK

HK