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恐怖の岬/ケープ・フィアーのHKのレビュー・感想・評価

3.8
『ナバロンの要塞』などのJ・リー・トンプソン監督によるアメリカ映画。キャストはグレゴリー・ペック、ロバート・ミッチャムなどなど

小さな町で家族と一緒に明るい生活を楽しんでいる一人の弁護士の生活がとある犯罪者が出所したことによって一変する。その男は弁護士によって実刑を食らったことを逆恨みして彼に復讐するために家族にストーキングをし始めたのだ。果たして弁護士一家の運命は。

後年、マーティンスコセッシがロバートデニーロを主演にしてリメイク版を作るそのオリジナル作品。『狩人の夜』などでも恐ろしい犯罪者役を演じたスリーピーアイのロバートミッチャムの不気味な雰囲気が光っていますね。

特に劇中では血が流れることはほとんどないのですが、終始ロバートミッチャムの執拗なストーキングに不安に駆られます。時折グレゴリーペックが彼に対して本格的に切れようが構いっこなく、余裕の表情で冗談を噛ますところが如何にも開き直っていてそこが良かったですね。

モノクロ撮影の陰影の濃さを利用した終盤の河岸でのサスペンスフルな攻防は凄い良かったですね。茂みに隠れながら相手にスニーキングするロバートミッチャムは最早ワニのようである。

日常に次第に侵入してくる異常者の恐怖、そしてそんな異常者の行動が計画的で、徐々に相手に対する行為がエスカレートしていく。プライバシーが侵食されていく恐怖をロバートミッチャムを駆使して見事に描いていて良かったですね。

初めの方はただ主人公一家が休暇で釣りに行くというのについていくだけ。しかし存在することで確実に相手に不安感や不快感を与えて精神的に追いつめていくというのはとても見事ですね。

また、中盤で一家の娘との追いかけっこが始まるのですが、ここでの車内でのフロントガラスを利用した切り返しの効果的な使用法、サスペンス映画でもよくある建物の構造を利用した追いかけっこは王道を行きながらもやはり面白かったですね。

終盤奥さん追いつめる際に卵を割るロバートミッチャムがかっこいい。いずれにしても見れて良かったと思います。リメイク版のケープフィアーも見てみたいですね。
HK

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