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カップルズのHKのレビュー・感想・評価

カップルズ(1996年製作の映画)
3.9
『クーリンチェ殺人事件』『恐怖分子』などのエドワードヤン監督による台湾映画。キャストは、ウィルジニー・ルドワイヤン、タン・ツォンチェン、チャン・チェンなどなど

バブル経済末期の台北を生きる四人の不良少年たちがいた。彼らは詐欺など反社会的な方法でお金を稼ぎ、誘って騙した女を売女として使いまわすというような無軌道ながらやりたい放題を尽くして生きていた。そんな中一番下っ端の少年がフランス娘の女性と恋に落ちたことで運命が変わる。

バブル経済末期で暗雲立ち込める台北で退廃的に生きている四人の男たちがそれぞれの悪行の報いを受けるかのように最後悲惨な結末を迎えるのが良かった。そして、そんな中でも最後まで純粋さを貫いたルンルンだけが微かに希望を漂わせる結末を迎える。

最後のあのネオンの中で見せる官能的ともいえないキスシーンがとても良かった。

あくまでエドワードヤン監督はメロドラマ重視で、古典的な道徳観と人間の善性を信じたうえでの物語構築をしているのであると思う。メロドラマ故に善性がない人間はその罪によってずっと苦しむし、そうじゃない人たちは報われる。

特に、時代的背景の結果可哀想なことに悪人としての結末を迎えることになってしまうレッドフィッシュとホンコンの結末が良かったですね。物質的な豊さを得た代償に失ってしまった大切な何かのせいで、いつまでも一番大切な人たちとの相互理解が出来ないまま、空しい結末を迎えるのが良かったです。

4人の人間の運命などもそうですが、フランス人女性のマルトとその旦那のイギリス人の男の恋愛模様もしっかりと描いていて良かったですね。どの人間もどこか人間的な悩みを抱えていて完璧な悪人というのが存在しない。全員が弱い故にその弱さから最悪な運命に辿ってしまうのが良かった。

原題の麻雀というのも、やはり4人の男たちによる麻雀のような目先の駆け引きとかに囚われて、もっと大事なものを無くした人たちのことを表しているように思えた。そんな中から唯一そういうのを気にせずに善性を信じたルンルンだけが上がれたと捉えてもいいのか。

人間のディスコミュニケーションという主題を見事に描いていて良かったと思いますね。相変らずフィックスによる定点撮影はとても綺麗でした。ディープフォーカスとかもとても良かったですね。

見れて良かったと思います。序盤のピンクのベンツがドカッとクラッシュする所が好き。
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