HK

アントニー・ガウディーのHKのレビュー・感想・評価

アントニー・ガウディー(1984年製作の映画)
3.8
『砂の女』『他人の顔』などの勅使河原宏監督によるドキュメンタリー映画。ナレーションは宮口精二。

アントニーガウディーが建設したバロック芸術溢れる建物を幻想的且つ静謐に撮影する。

ドキュメンタリー映画で完全な記録映画で寝落ちするのか不安でしたけど、国立映画アーカイブで3月ごろに鑑賞しました。これもまた景観の見心地の良さで全然眠ることなく見れて、寧ろこのガウディーの建築物に酔いしれる内容であったと思いますよ。

天空に向かって聳え立つサクラダファミリアをあおりのショットで撮るシーンの神々しさが凄い。これだけでどんな映画よりもお腹いっぱいになる。

BGMも武満徹さんの曲のおかがであまりストレスに感じることなく見れることが出来ましたね。

やっぱりこういう映画とか見ると演劇的な人間ドラマよりも建設物とかの物をカメラワークで生物感醸し出して見せてくれる作品の方がなんか見れてしまうんですよね。すごい心が透き通るような気分になりましたよ。

撮影は『ジャコ万と鉄』とか『銀嶺の果て』などの瀬川順一さん。ズームイン、ズームアウトなどを多用したり、ガウディーの生物的な趣のある曲線美をトラッキングで撮る所がたまらない。あくまで芸術品を堪能するのに特化していてそこが凄い良かったですね。

宮口精二さんのナレーションが終盤でかかりますが、それも落ち着いていて良かったですよ。完全にこの映画に関しては人によっては寝落ちしてしまうかもしれませんが、僕は楽しめました。

いずれにしても見れて良かったと思います。勅使河原宏さんの作品をもっと見てみたくなりましたね。
HK

HK