愛をとりもどせ！
馬鹿正直に色んなもののいいとこ取りをして、それを外連味たっぷりな演出で僅か105分に纏めるというそのスピリットはブラビッシーモ
結果、「見世物って、こういうもんだろ？」というバーナムスピリットを作品として体現し納得させるという、「頭の硬いやつは文句を言うかもしれんが、お前は楽しんだろ？」とバーナムが問いかけてくるような気持ちに襲われる実は凄い作品
出演者達が語るように、これは、ただの伝記とは似て非なるもの
この作品の非常に偏ったバランスは意図的で確信犯だと思います
そしてそれは間違いなく成功している
ミュージカルナンバーは敢えてと言っていいと思いますが時代に合わせていて、登場人物達の感情の動きのブーストとして大きく働いている素晴らしい曲ばかり
特にオープニングは正直鳥肌立ちっぱなしでゾクゾクしてました
愛を乞う人達による戦いであり、誰だってシンデレラという話であり、真に満たされる人生は、コレだ！という話
ロッキーシリーズだよコレ
フィリップは、物語の中でアドニス的な「恵まれた中での満たされなさ」に目覚めていきますね
あーこれ100分でわかるロッキーシリーズミュージカル仕立てだよ〜と思っていただけに許せない部分がある
リンドを憖「愛を乞う人」として描いてしまったせいで、結果彼女の扱い方に怒りを禁じ得ない
彼女だって愛を乞う人だったんでしょ？だからあの歌の切実さが泣けるんでしょ？
なんなら真の幸せを掴みきれていないバーナムなわけでしょ？
彼女の歌の何を聴いてたんだよバーナムさんよ
彼女だって、バーナムに連れ出されて満たされかけていたのにさ、「悪りぃ俺妻子いたわ帰る…何？好きになっちゃった？うーんすまんな」という"切り方"「結局私も"虚仮威し"にすぎないのね」とフェードアウト
徹頭徹尾無責任な男が成り上がり精神で上り詰めるこの話で、その無責任の唯一の被害に遭った彼女がこんな中途半端なんですか？無責任な男の話の主題歌がThis Is Meだって？笑えるね、何がグレイテスト・ショーマンだ、ふざけんなよ
物語の流れの中で家族というものに対する感情が見直されるきっかけが彼女なだけに、これはちょっと非道な展開、婚外子設定が完全に仇
少しでも見栄を張って自分を隠したやつは悲しい目に遭いますって話ですねこの話は
仮に事実がそうだったのだとしても、映画だからつける嘘だってあるんだから完全な悪役として描いてもよかったのに余計なことするから、こういう逆に愛のないキャラクターになってしまうのですよ
と、いうのは、ぜ〜んぶ、俺のイチャモンであって、些細なことで〜す！ごめんなさ〜〜い！
忘れてくださーい
僕が一番泣いた場面は奥さんが歌うところです
欲を言えば最後はA Million Dreamsで締めて欲しかったです
この作品の素晴らしさは最初に書いたとおりです
作品そのものが魂を継承している素晴らしい作品
多少のイチャモンをつけるような馬鹿者でなければ間違いなく幸せになれるので是非映画館へGo
