えむえすぷらす

ザ・ガンマンのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

ザ・ガンマン(2015年製作の映画)
4.5
「96時間」監督+ショーン・ペンという組み合わせ。
オープニングはスタジオ・キャナルのロゴと音楽でスタートして否応無く期待が高まる。

アフリカのレアメタル、内乱を背景に2006年にあった事件の主犯だった主人公が「現在」アフリカのNGOで働いていたところ命を狙われる。
ここまでは素晴らしい出来。設定は上手いんですが、そこからの展開は徐々にペースが落ちていき、スペインパートはユーロコープ的な感じが強まるけど完全にそこへ落ちる事はなかった、かな。

アクションは結構工夫が見られて最初の「96時間」の評価の高さはわかる。隠れ家での攻防戦も「え、それで嵌めるの。いくらなんでも可哀想だよ?」とお見事な返り討ち。
拳銃は大型弾倉入れてミニマシンガンと化したりマニアックな展開も入っています。
ずっとこのテンション維持だったら素晴らしかったんですけどね。。。

おかしなシーンは多いんですよ。SMSの着信をバイブレーションさせて、主人公にバレるフィリプス(ハビエル・バルデム)とか。あと主人公のある大ドジはそれは制作側にとって都合のいい展開過ぎてちょっと萎えた。あれをやるなら主人公は全て失うべきでは?

というような欠陥はいろいろあるんですが、キャスティングは「ブリッジ・オブ・スパイ」のアベル役のマーク・ライセンスが出ているとあとで知って仰天でしたし、インターポールの刑事もイドリス・エルバなど総じて過剰。

アメリカでのトマト指数悲惨なようですが、本気さが感じられず悪いだけのユーロコープ印とは違っていたとは思います。はい。

原作は映画化に合わせて?、2014年に河出文庫から出ていて入手可能ですね。結構古い作品ですが最近こういう昔の冒険小説からの映画化増えているように見えるのはなぜか知らん。(なお感想サイトのコメント見る限り、原作というより原案レベルで参考にしたという風に見えます)

公開規模50館台なのでレビューは増えにくい作品だとは思います。私も「マッドマックス怒りのデス・ロード」リバイバル上映を見に行った際に地域ではここでしかやってない洋画ないかなーとチェックして見つけた作品でしたので。辛口レビュー多いですがそこまで酷い作品とは思えない。(脚本でもっとがんばる余地があったとは思いますが)

追記。ショーン・ペンは監督作としてTHE LAST FACE手がけていてバルデムも出演。ヒロインはシャーリーズ・セロン(お付き合い中らしい) アフリカ舞台の作品だそうで色々と本作とかぶって見えるところがあります。