たにたに

エール!のたにたにのレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
4.0
【聞こえることの不自由さ】2022年10本目

1/21公開の「Coda」
こちらのリメイク元となる作品で、再び注目を集めるやもしれません。

主人公の女の子。この子以外の家族は全員耳が聞こえません。農村を経営する一家に、健聴者の彼女は必須の存在であり、家族の柱とも言えます。

そんな折、村を守るためと村長候補に名乗り出た父親。聾唖者の彼に不安を覚えつつも、助け合う家族の強い絆は不滅であった。

彼女は学校の授業でコーラスを選択し、先生に自分の歌声の才能に気付かされる。
パリの専門学校への進学試験を受けるよう勧められるも、家族を置いて行くことに躊躇する。
パリ進学を家族に打ち明けるも、父は関心がなく、母は反対。

彼女の人生についてくる、家族に対する愛情の向き合い方への悩み。家族を守りたい気持ちと、自分のやりたいことへの選択。どちらかを妥協するしかない。
しかし、彼女はその二つを手話と歌声で見事に試験で表現し、覚悟と本気を魅せた。

結構、ズルい演出で感涙必至なのですが、とても応援したくなる家族に心が温かくなりました。
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