このレビューはネタバレを含みます
✨2024年26本目✨
3時間の壮大なフランス映画。
登場人物の多さと、1人2役という演出により、予習なしでは1回観ただけでは理解できません。
ここでは登場人物たちの相関図を書くのはやめます。いえ、諦めます。
ロシア、ドイツ、フランス、アメリカを舞台に、第二次世界大戦時、戦後、そしてその数年後と、3世代に渡って繰り広げられる愛と悲しみの物語。
群像劇となっており、エッフェル塔を背に男性バレエダンサーが踊り始めるシーンから物語はスタート。最終的にその観客や、演奏家、ましてやそのバレエダンサーが、これから語られる物語の主人公たちだと最終的に分かります。
スターリンとヒトラーの対立に巻き込まれた様々な人々たち。ドイツ人、ユダヤ人、フランス人、ロシア人。歴史的背景や民族が絡み、非常に奥深く、その当時の辛さや愛を感じられる見事な内容となっています。
ナチスによるパリ侵攻によって列車で収容所に送られるユダヤ人夫婦。子供だけは助けたいと停車駅で子供を隙間から降ろす。母親の絶叫。毒ガス室に連れ込まれる父親。
ヒトラーに認められたドイツ人の音楽家。奥さんがいるが、軍楽隊長として任命されパリへ。そこでフランス人の女性と浮気。そのフランス女性は、戦後裏切り者として迫害されてしまう。妊娠しており出産したが、迫害に耐えられず自殺。音楽家はベルリンの妻の元へ帰るが、息子が戦死。
これだけでも前半は戦時下の辛いシーンが多い。後半は彼らの息子・娘たちへの話へと展開していき、紡がれていく愛の美しさと素晴らしさが表現されていくのです。
最後のボレロは圧巻です。
良い映画を見た!と満足してしまうほどです。