たにたに

大人は判ってくれないのたにたにのネタバレレビュー・内容・結末

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

✨2024年27本目

フランソワ・トリュフォー長編デビュー作。
彼自身の半自伝的な作品とのこと。

主人公アントワーヌ。

両親の不和。
母親は自分を叱るばかりで、感化院に入れようとする。
父親はそれに対して特に干渉もしない。
しかも、義父ですらある。
学校の先生からは嫌われ、書いた論文はインチキだと差別される。

多感な幼い頃というのは大人からの規制というのは煩わしいものです。
しかし、1人で生きていくこともできませんから両親に頼らざるを得ないという現実もあります。

学校さぼって映画観に行ったり、牛乳盗んだり、タイプライター盗んで売ろうとしたり、してることは不良少年ですよ。
ただ、判ってくれない大人の元にいる不遇な少年が、自分で食べるものやお金を稼ごうと奮起する姿自体は逞しささえ感じます。
また彼は、自分が親にとってお荷物であることを理解しています。

どっちが大人なんだ、大人って一体なんだって話です。
ラスト、感化院から逃げ出して猛ダッシュ。そして海辺へ辿り着いてカメラ目線で終わる。彼が後先考えず走り出してる時は非常に無邪気に見える。何かから逃げてるのではなくて、どこかに辿り着きたいのだろう。しかし、結局、引いては返す波のように元の場所に戻ってきて前に突き進めない。
どうすればいいの?そんなメッセージ性が心に響く。
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