イライライジャ

14の夜のイライライジャのレビュー・感想・評価

14の夜(2016年製作の映画)
3.4
エモさ爆発。
ビニ本が草むらに落ちててそれを拾って見るのも、やたらと高いレンタルビデオ店も、学校のセキュリティの甘さや不良野放しも、ネットがない時代だからこそ偽りの情報が出回ったり、全てが80年代特有の良さ。憧れの青春。
この時代がドンピシャな母と観たけど母もものすごくノスタルジーな気分に浸っていた。現代はスマホ一つで動く裸体を無料で見れるけど、良くも悪くも昔より女体への憧れもガッツキも薄れているわけで。エロビデオ見るのも友達の家に集まるのはあるあるらしく、バレないかひやひやしながら観るのが当たり前という。動く裸体を見る機会が全然なかったらしい。(どうでもいいですが私も中1の頃我が家でAV鑑賞会をした)

夜の街を自転車で2ケツで駆け巡るのも夜の街を全速力で走るのも、大人になると絶対に出来ない。見るものも感じるものも全く変わってしまっているから同じ気持ちを味わうことは出来ない。

童貞4人組は先輩はヤリまくりなのかなと心配するけど、実際は童貞ばかりなのもあるある。
主人公はたった一夜で、信じられないほど新しい経験をした。親への反抗も夜遊びも喧嘩も。そして怖い先輩にも少し認められる。意外とちょろいなって思うわけ。
でも家に帰ると家庭の状況は変わっておらず、友達との関係も今まで通りにはいかないと気付く。あの一夜によって得たものは何なんだろう。どうしようもない複雑な気持ちが襲ってくるんだよね。