このレビューはネタバレを含みます
すごく良かった。スペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアがマルメロの木の絵を描く。季節は秋から冬へと変わっていき、絵は完成しないままマルメロは熟し、腐る。静かで単調だから退屈に感じるかもしれないが、人生を考えさせられる。カンヌで「この小さな庭には世界の全てがある」と絶賛されたらしいがその言葉にすごく納得した。若く綺麗なマルメロは勿論いいが、熟しきって地面に落ち、しわが増え、やがて土に還るマルメロにはいいようのない生命感、強い美しさを感じた。最後の詩のような語りも良かった