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死刑にいたる病のaaのネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

櫛木理宇の小説「死刑にいたる病」を映画化したサイコサスペンス。鬱屈した日々を送る大学生、雅也のもとに、世間を震撼させた連続殺人事件の犯人、榛村から1通の手紙が届く。24件の殺人容疑で逮捕され死刑判決を受けた榛村は、犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。手紙の中で、榛村は自身の罪を認めたものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。結局冤罪というのは榛村の作り話で、死刑に至るまでの時間すらも元ターゲットを支配下に置いているという状況を楽しみたかっただけだった。面白くなくはなかったんだけど、状況が二転三転するのでずっとしっかり観ていないと若干分かりにくい。タイトル通り榛村は幼少期に受けた虐待などで歪んでおり、完全なシリアルキラーなので、それがバレれば死刑に至るのは間違いなく。病という表現で差し支えないとも思う。ただその辺の描写はあまりないので共感し辛く、もう少しそっちの方面を描いてほしかった。なので一番リアルで怖いなと思ったのは、雅也が事件を探る最中に榛村を実の父親ではと思い、そこから少し人格が凶暴になること。退屈で鬱屈した日々を送る大学生には「殺人鬼の息子」というのはあまりに刺激的で最早ステータスとなり得るのだろうし、きっと誰しもそんな可能性は秘めている。「そっち側」への道は意外と直ぐ近くに転がっているんだろう、というのが一番印象に残った。
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