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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのohassyのレビュー・感想・評価

3.5
もはやスターウォーズを語るという行為は、神学論争と言えよう。
なにせ聞こえてくる感想が「面白い」とか「つまらない」とかじゃなくて、「圧倒的感謝!」「ありがとう」とか、「残念」「許さない」とか、映画の感想としてはちょっとどうかしているものばかり。
かくいう僕もその手の輩には違いないのだけれど。

本作の公開にあたって、ナンバリングは全話を観返した。
もう何度も観ているはずだけれど、やっぱり1作目の「新たなる希望」は本当に良くできた面白い映画だとあらためて思う。
キャラクターと分かりやすく高揚感のあるストーリー、デザイン、音響、撮影、どれもが素晴らしい(異論は認める)。
むかし話的なテロップが消えたと思ったら、パーン!と抜け感のある管楽器の響と飛び込むタイトル。
聞いたことも無いようなかっこいいファンファーレ。
ロールテロップが終わり宇宙空間をPANダウン、小さな宇宙船を追いかける見た事もない巨大戦艦が大きなスクリーンを覆う…。
公開当時僕はまだ小学校にも上がっていない頃だったので記憶を捏造している可能性もあるけれど、立ち見が出る満員の映画館でこのオープニングシークエンスと事故のようにぶつかったことで、人生の何かが開いたような気がしたものだ。

それ以来、そこそこ熱心な信者として観続けてきたけれど、本作を観終えた今は少し冷静な気持ち。
やはり僕はスカイウォーカー家の物語、そしてルークの物語に惹かれてこの40年間を過ごしてきたのだ。
ヨーダもクワイガンもオビワンもアナキンも成し得なかったフォースの均衡、宇宙の平和を唯一導いた男の物語に。
本作を観たことで、基本的にスターウォーズというものは3作目の「ジェダイの帰還」でキレイに終わっていて、プリクエル以降の作品はスピンオフだったということを、ようやくはっきりと認識することができたわけだ(もちろん僕にとって)。

本作を観終えた時、過去に遡ってシークエル3作の理解と評価が変わったのはもちろん、プリクエル3作の評価も随分と変わった。
特にプリクエルは、今までよりずっと面白いと感じるようになった。
今まで感じたことがない不思議な感覚だけれど、これが伝説の超巨大映画シリーズの完結ということなのかもしれない。

ところで本作はオープニングテロップ1行目から思わず声が漏れてしまったのだけれど、3部作にこだわらず4部作にすればよかったのにと心底思う。
あのテロップの内容だけで余裕で1話行けるし、本作で描かれたキャラや物語にも厚みを出せたはずだ。
もしくは上下にするとか。
ね。

誰かが言ってた、「スターウォーズなんだから見ろ」と。
文句言わずにさ。
でもあれこれ議論するのは超楽しいよね、これほど楽しめる映画は多分他にない。
ちなみに本作を観終えた今一番観たいスピンオフは、圧倒的に「パルパティーン」です。
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