GUMI

国際市場で逢いましょうのGUMIのレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
3.5
朝鮮戦争での南北の「分断」はこういうものだったのか。
庶民視点で描く朝鮮戦争~現代の映画。

日本人が抱える過去の傷とはまた違う傷。


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朝鮮戦争の時代、少年ドクスは避難途中に父·妹と生き別れになってしまう。
「父親がいなくなった時はお前が家長だ。」という父の言葉を胸にドクスは伯母の店「コップンの店」で働き、時にはドイツに出稼ぎするなどして我が身は二の次で母と妹弟を支える。
誇らしい姿で再び会えるように…
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ストーリーは今と昔を行き来する。
主人公がどんな言葉や物を大事にして生きてきたかが段階的に紐解かれる。
人や物を起点にして時代が切り替わるのが面白い。
映像のタッチは山崎監督のALWAYSが漂わせる郷愁感があり、自分の好みの映像だった。


この主人公ドクスは監督の父がモデルだそうで。
そう聞くと確かに映画としての起承転結と言うよりは、父の人生を形にしたいという意志が伝わってくる。

父との約束に忠実に生きたドクス。
そうすることでしか生きられない不器用さ·不自由を感じる反面、それを貫ける強さがドクスの家族を…果ては国を豊かにする要因の一部になったんだろうと思うと韓国に縁も所縁もないが 何か荘厳なものが伝わった。


北と南に分断されたタイミングで離散が避けられなかった血縁者たち。
今でも再会事業は続いているようで、65年振りに生き別れの夫の手を握った…なんて記事も調べたら出てきました。

捜索したい気持ちは山々、あの動乱の中では生活基盤が最優先になるのは仕方がない。
未だに再会できていない、再会できず終いの人たちも多いんだろう。
心の拠り所を失ったまま生き続けるとはどんな気分なのか…

この映画の中では「なぜ私を置いてったの?」の答えがわかった上で生きられることがどれだけ幸せか、有り難みを感じた。