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ワタシが私を見つけるまでのmaverickのレビュー・感想・評価

ワタシが私を見つけるまで(2016年製作の映画)
4.0
2016年のアメリカ映画。ダコタ・ジョンソンとレベル・ウィルソン共演によるロマンティックなラブコメ作品。


何ともアメリカらしい作品性。主演のダコタ・ジョンソンを始め、全員が肉食系女子。「ワンナイトラブでも良いじゃない、人生楽しんだもん勝ちよ」という方向性がむしろ潔い。

緩くてすぐに体の関係に発展してしまう彼女らだが、そうした関係性の中で成長がある。相手との繋がりを求めるのは、寂しかったり、自分を分かってほしいという気持ちからだったりで。繋がることで満たされることもあれば、「何か違う」と後悔することもある。本作に登場する女性たちは、ただ単に快楽を求めているわけじゃない。男にとって都合の良い女性でもなく、自分というものを持っている。ワンナイトラブを繰り返して楽しんでいるだけじゃなく、その中で悩んだりもがいたりしながら自分自身を模索しているのだ。

好きだから付き合うし、そういう人だからこそ繋がれるというのが一般的な倫理観だと思う。だから本作は世間一般的に見れば理解し難い作品かもしれない。けれど彼女らのように、相手と繋がってみることでしか分からないこともある。それを経て、自分自身を理解してゆくというわけだ。本作を観て、価値観が大きく変わる人もいるはずだ。『ワタシが私を見つけるまで』というタイトルは、正にその通りだと思った。

ダコタ・ジョンソンがとっても可愛らしい。彼氏と距離を置いている間にも平然と他の男と繋がったりするこの主人公は、遊び人なイメージではある。でもそれを経てどんどん気持ちの変化が起こり、自分自身を見つめ直す過程が好感だった。物語がどういう着地点になるのかが見物だったが、それに関しても良い印象を受けた。最後に大きく成長した彼女が何倍も素敵な女性に映る。そういう移り変わりを見せた点が素晴らしかった。

レベル・ウィルソンも彼女らしい役柄で好感が持てた。誰よりも自由に生きて楽しんでいるのが印象的。モデルのような美しい体形で美人でないと人生楽しめないと思っている人は、彼女の役柄をお手本にしてほしい。実際彼女のような女性はモテる。男をその気にさせるだけでなく、自分自身も大いに楽しんでいるから一緒にいて当然楽しい。男性に媚びないという点でもカッコいい女性だなと思った。


途中までは下品さが際立つが、徐々にロマンチックな雰囲気に包まれる。クリスマスシーズンの作品というのも良い。最後はほっこりするし、元気を貰いたい時にお勧めの作品だ。
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