FumiyaIwashina

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

4.1
大好きな父親が戦場に行ってしまったリトルボーイ。父親とともに好きだった奇術や、牧師から渡されたリストを信じ、父親が還ってくることを祈り続ける。
町に住む日本人ハシモトへの住民としての感情や原爆が落とされた時の国民としての感情はとても自然なものだったように思う。しかし、そこで終わらずにハシモトと心を通わせたり、原爆の恐ろしさ、惨さに気づくなど、日本人からしても不快な気持ちにはならないよう、きちんと戦争をえがいている。
昔のイタリア映画のように心地よい名作の雰囲気もあり、ペッパー、父、母、ハシモト、牧師たちみんながとても愛おしく感じる。ペッパーが日本に向かって念じているところは素晴らしい画だった。
信じることは勇気が要るし、心が強くないとできない。それでも、信じることで可能性が広がったり、人の心を動かすこともある。そんなことをかわいい子どもの視点から伝えるのがとても素敵だった。