SUI

クーデターのSUIのネタバレレビュー・内容・結末

クーデター(2015年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

怖い怖い!
ゾンビとか幽霊なんかよりも人間の方が何百倍も怖い。
しかも暴徒と化した群衆では勝ち目なんかどこにもない。このある種完全に閉塞された状況での緊迫感が息苦しくて、見ているこっちまでパニックになる。

そしてこの臨場感である。

娘を隣の屋上に放り投げて、あまつさえ下でそれを受け止める。そんなの現実的には不可能な漫画的な展開なんだけど、この臨場感のある演出でそんなことも吹き飛んだ。
まるで自分が空を飛んでるかのよう。もう怖い。

心の支えが無くなった時の喪失感、判断力、思考力を無くした自失感もまたリアル。それをたしなめ、励ますのは奥さんで、やはり女性は強いと再認識せざるを得ない。

主人公が実はタフな敏腕エージェントだったとか、むやみやたらな武闘派とかじゃなくて普通のお父さんというのがまたいい。

今まで折に触れて「私が生まれた時の話をして」と娘たちが言ってたのをラストに持ってくるのもまた来る憎い演出。

いやー、見ていて疲れました。
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