Daisuke

教授のおかしな妄想殺人のDaisukeのレビュー・感想・評価

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)
3.4
[哲学を超えて、落ちていく]

大学で哲学を教える事になったエイブに恋をしてしまう女学生ジル。
エイブは何か生きる活力を無くしている様だった。
そんな中、エイブはジルとの食事の最中に不快な話を耳にする。
それを聞いたエイブは生きる活力が湧いてくる。

という話で、
ウディアレンらしい会話劇と軽いサスペンスが奇妙なバランスで成り立っている。
サスペンス色が強くなっても特に緊張感が強まる気がしない。けれど面白い。
こういった空気感は本当に不思議だ。

エイブという先生は「ロマンチックだ」とジルや皆に言われてるが、ロマンチックというのは実は「倫理を超えることを考えてる」ということでもある。

妄想ではいくらでも倫理を超えてもよいが、
現実で倫理を超える事はたやすくない。
そこにどんな哲学があろうが自分の中にある思想、さらに「哲学」という形態では、周囲との関係で成り立つ「倫理」を超えることはできない。
必ず摩擦が生じる。

なんて、また何もわからないのに知ったかぶって書くところだった。

自分としては「教訓もの」として軽めに楽しめたサスペンスだった。
Daisuke

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