主に発展途上国で撮影された様々な本物の死体映像の記録です。路上で発見された事故死体とその後の死体処理の風景や土着の儀式や葬儀の手回し映像が淡々と流れていきます。
すべて作り物ではないのでドキュメンタリーに入るんでしょうか。自然死や事故は毎日起きているはずなのに我々は見ることができません。死体の処理の過程は動物に限らず人間も見せられないものになっているからです。「倫理的」な理由によって。
どこの国か忘れたのですが、土葬された人間を掘り返して墓地のスペースを開ける作業を年に一度民間ボランティアでやっていて、ほとんど腐っている死体を穴から掘りだし腐った肉をそいでいる映像があります。雰囲気はバサーとか運動会とかに近いのに、老若男女集まってモノのように死体を扱って処理していきます。映像ではわからにですがとてつもない臭いがしたはずで、ショックな映像です。
この映像にかかわらず、死体は厳粛というよりモノのように淡々と扱われていきます。日本での釣崎氏の友人の葬式を撮影した映像があります。納骨をする葬儀場の作業員が恐れなくモノのように事務的に友人の骨を扱っていきます。友人も少し笑いながらなぜ死んでしまったんだとつぶやいていて納骨作業は終始なごやかに進み見ます。なぜか違和感やショックを受けます。そして時々見ているこちらも、もはや面白くなって人が死んでいるというのに参列者と一緒になって変に笑ってしまうのです。別に人の死を軽く扱っているわけではないのに、不思議です。業務的に処理しなくて死体が消えるわけないのに、業務的に死体が処理されている様子は面白いんです。人間なのかモノなのかその境目があいまいになっている違和感が面白いのです。
死体に対して変にぐずぐず泣いたり怖がったりしている人間は少ししかでてきません。事故死した男の妹らしき人物が横で泣いているくらいで。死んだらどうなる、こうなるんだってシンプルなものが見れます。