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火祭りのHKのレビュー・感想・評価

火祭り(2006年製作の映画)
3.6
家政婦は見た・・・(イラン編)

イランの名匠アスガー・ファルハディ監督の長編3作目だそうです。
英語のタイトルは“Fire Works Wednesday ” (水曜日の花火)
花火と言うより爆竹でしたが。

夫の不倫疑惑がある不穏な空気の家庭に派遣される若い家政婦の1日が描かれます。
家政婦役で『美しい都市』のタラネ・アリドゥスティが出ているのが嬉しい。
もうファンになりました。
(ジャケ写の人じゃありませんよ)。
不思議な書体のペルシャ文字のクレジットにも慣れてきました。
全く読めませんけど。

ファルハディ監督作の鑑賞は2本目ですが、なかなか楽しめました。
同じイランの名匠キアロスタミの作品より私の好みかも。
キアロスタミ作品は続けて観る気が起きず、2本目の鑑賞までに半年以上かかりましたし。

それにしても、イランの監督の名前はなかなか正確に覚えられません。
キアロスタミはキアロミスタと言ってしまい、ファルハディはファハルディになってしまいます。

前作ではイランと日本の文化の違いに驚きましたが、やはり同じ人間、本作ではさまざまな共通点を見せつけられました。
こうして見るとイランも身近に感じられます。
男の方が未練がましいのも全国共通?

もうすぐ結婚を控えたルンルンの女の子を演じるタラネ・アリドゥスティは『美しい都市』のときにも増して可愛さ全快。
失くしたチャドルはどこにある?
本作でイスラム圏の女性が体全体を覆う黒い布のことを“チャドル”と言うと知りました。
香水の香り、ライターのくだりなどセリフで説明しないのがよいですね。
途中から物語の行く末にイヤな予感がして不安になりましたが、ラストはほっとしました。
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