円柱野郎

新劇場版 頭文字D Legend2 闘走の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

しげの秀一の漫画「頭文字D」を原作にした劇場版アニメの第2章。
RX-7を破ったことで注目の的となった主人公とハチロク。
そこへ今度はGT-Rが挑戦者として現れる。

原作は未読。
前作で思いがけず走り屋の世界に入っていった主人公だったけれど、本作はその延長で2つのバトルが描かれる。
対戦相手の4WDやFFといった駆動方式の違いからくるコーナリング特性の差がバトルをバラエティに富んだものにしていて、単純に走っているだけではない事の面白みが描けているとは思う。
でもその部分に関してはかなりうんちくめいた解説台詞も多くなっているので、車に興味がないと何言っているか分からないというのと紙一重な気もするが…。
まあ原作にしても、この映画にしても読者や観客のリテラシーを信じているという事なのだろう。

本作は3部作の真ん中なので全体の前振りもオチも必要がないこともあり、物語としてはバトル中に主人公がテクニックにさらなる磨きをかけるという…ただそれだけなのだが、逆に潔くていいんじゃないかな。
前述の様に2つのバトルは相手の走行スタイルが違うものだし、主人公の動機も違うので飽きはこないしね。
登場キャラクターとしては対戦相手としての妙義ナイトキッズの庄司はダーティなので怒りの対象になりやすいけど、この話だけで言うと後半の庄司よりも前半の樹(主人公の友人)の方がムカついてしまった。
個人的に、どうもお調子者は苦手なのかもしれない(苦笑)。
逆に、主人公に黙ってハチロクの足回りをいじったり、「やめとけ」と言ってけしかけたり、ちょいちょいちょっかいを出してる“大人たち”はちょっとカワイイと思ってしまったがw

高橋兄弟の兄・涼介がラスボスだという事がハッキリしてくるし、物語としては第3章へのつなぎもチラッとはある感じか。
ストーリーはコンパクトだと思うけど、魅力である峠のバトル描写は本作もスピード感があって良かったので、次章のバトルも楽しみになるね。
円柱野郎

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