カテリーナ

二ツ星の料理人のカテリーナのレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.3
料理人にとって星を獲得する為に
自らの調理は勿論の事お皿の指紋や
サービスする側の料理の出し方
クロスのしわや
意地悪くわざと落としたテーブルの下のフォークを目ざとく拾うなど
細心の注意を払い臨んでいく
シェフのブラッドリー・クーパーは
腕はいいが感情的になり易い性格で
完璧を周りに求める余り
ほんの些細なミスも見逃せずそれを
当人に爆発させる
鍋を投げる 大声で喚く
厨房内は最悪の空気に そして我に帰り
孤立するシェフ

ミシュランは覆面で店に予約を入れ必ず二人でやって来る
片方はアラカルトでもう片方はコース
テーブルの下にフォークをわざと置いた
幾つかのサインに気づきその客をミシュランの刺客と断定する店側のその慌てぶり

このチームで完璧を目指し、星を獲得するのは
不可能
観客誰でも思う事だ
映画の前半は絶望感が劇場内を覆う

さて、ここから話しは何処へ向かっていくのか?

ある程度の着地点は想像できる

それが当たるかどうかはラストシーンまで分からない

そこへ辿り着くまでの味付けは?

私が思い描いたラストシーンではなかったちょっと意表を突かれた
その真意が分かりづらい

一緒に観に行った友人は
やっぱり私に訪ねてきた

「で?どっちだったの?」

後半にとても印象深い場面がある
真夜中にむかしの仲間の店へ押しかけ
罵詈雑言を浴びせながら暴れまわる
ブラッドリー・クーパー
そのシェフは同じ立場である為に
理解できる喪失感や自己嫌悪などを彼を見一言発した言葉だけで全て理解し受け止める
ただ、黙って泣き叫ぶ彼を抱きしめる

その翌朝の同士の為に作ったオムレツは美味しそうであった
カテリーナ

カテリーナ