イライライジャ

マドラス・カフェのイライライジャのレビュー・感想・評価

マドラス・カフェ(2013年製作の映画)
3.0
1983年から2009年の26年間に渡り犠牲者7万人以上を出したシンハラ人とタミル人によるスリランカ内戦。北インドからの諜報員が派遣されるが、防ぐことが出来なかったと懺悔するシーンを軸にインド元首相暗殺までを回想してゆく。

北インドではパキスタンが敵として描かれるが、南インドのタミルではスリランカを敵として描かれがちなのはこのような背景があるからか。それにしてもかなり最近まで続いてたというのに、恥ずかしながら全くスリランカ内戦のことを知らなかった。
いまだに多くのタミル人は難民キャンプでの生活を余儀なくされていて、埋まったままの地雷や破壊された住居など課題が山積みだそう。

スリランカ内戦の大まかな流れなどよくわかる構成にはなってるものの、スリランカ内戦やインドやスリランカを多少知らないとなかなかに厳しい。
歌やダンスを全く挿入しないシリアスな作りになってるため、良く言えば社会派、悪く言えば退屈に感じた。まあこれは私が頭悪いからだと思うけど。

ジョンエイブラハムの現在と過去の見た目が全く違っていたのが凄い。屈強で精悍な顔付きをしてるからか、アクション映えする俳優。シリアスな演技が素晴らしい。
ただジャーナリスト役のナルギスファクリがあまりにも現実離れした美女なのが邪魔していた。訛りのない英語を話せる女優がいなかったため、パキスタンとチェコのハーフで国籍がアメリカのナルギスがキャスティングされたんだとか。
ずっとナルギスファクリはパキスタン国籍だと思ってたな。
いつも異国の中身のない美女みたいな位置付けだからか真面目な役は新鮮。ただやっぱり似合わない。なんだろう、マネキンみたいで違和感がある。でももう40歳だから当時34歳か。どうなってんだあの美貌。

インド映画ってシリアスなのにダンスがあると「ダンスいらん」と思うのに、挿入歌やダンスがないと「ダンスほしい」と思ってしまって複雑。